赤穂民報
すばらしい絵本との出会い(4月6日)
絵本には表現の方法がいろいろあり、その技法によって大きく変化します。
フランス生まれの伝説的グラフィック・デザイナー、ソール・バスが50年前に描いた一冊は、私が今までに手にしたことのなかった絵本です。
ルブールという小さな町に暮らす男の子アンリは、パリに行きたくてたまりません。ある日、チーズとパンとニンジン、そして紙と鉛筆を持ってパリを目指します。
その途中、疲れて木陰で昼寝します。寝る前に鉛筆を目的地へ向けて地面に置くのですが、寝ている間に小鳥が動かしてしまいます。目覚めた彼は、鉛筆の方向へ歩き出しますが、着いた先は…。
作品には両親や3人の友達が登場しますが、みな足だけしか描かれていません。それなのに、アンリくんと友達とのかかわり、やさしいお父さんやお母さんとの絆が感じ取れます。本当に不思議でゆかいな絵本です。
50年前といえば、第二次世界大戦からようやく立ち直った日本が高度経済成長の道を歩み始めたころです。その時代に著者は何を問いかけようとしていたのでしょうか。
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『アンリくん、パリへ行く』○絵/ソール・バス○文/レオノール・クライン○訳/松浦弥太郎○スペースシャワーネットワーク
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▽お知らせ=しばらく文庫を休んでおりましたが、4月13日より再開できる運びとなりました。従来通り、第2・第4土曜日にオープンしますので、ご利用ください。TEL49・2089。
(『アンリくん、パリへ行く』 ○絵/ソール・バス ○文/レオノール・クライン ○訳/松浦弥太郎 ○スペースシャワーネットワーク)
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