赤穂民報

市の公文書配送ルートで虚偽の注意文書出回る(7月7日)

 複数の自動車ナンバーを列記し、「当たり屋グループ」への注意を促す虚偽の文書が、赤穂市役所の公文書配送システムを使って公民館などに出回っていたことが7日、わかった。システムを管理する市総務課は「こうした怪文書で市民に迷惑がかかることのないように文書管理を徹底したい」と話している。
 怪文書はワープロ打ちされたA4判1枚で「至急回覧」「緊急告知」の表題。「当たり屋グループが山口県・関西方面から来ています」とし、山口、神戸、姫路など32台分のナンバーが書かれている。
 山口県警交通指導課によると、同様の怪文書は昭和61年ごろから数年ごとに出回っているという。捜査したが、「該当車はなく、事実無根」であることがわかった。今春以降、一部ナンバーを変えたものが富山、広島など全国各地で流布しているが、同課は「事実ではないので惑わされないで」と呼びかけている。ちなみに、赤穂署管内では今年に入ってから、いわゆる「当たり屋」による被害は1件も認知されていない。
 市の公文書配送は、本庁内の「伝送便ポスト」と呼ばれる棚を経由して行われる。棚は本庁内外の部署、施設ごとに約50に仕切られ、作成部署の職員が届けたい先の棚に文書を入れておけば翌日には配達される仕組みになっている。配送文書の内容はチェックしていない。
 ポストがある部屋は「通常は職員しか出入りしない」(総務課)が、扉のないスペースにあり、部外者が立ち入ることは不可能ではない。
 本紙取材では、怪文書は公民館、文化施設の少なくとも8カ所に届いていた。「作成部署名が入っておらず怪しい」と手元に留めた施設がある一方、役所から届いたことで“公文書”と信じ込み、関係先に配布した施設もあった。公民館から文書を受け取った自治会長が各世帯に回覧、配布した地区もあった。
 ある公民館長は「まさか役所の伝送便で怪文書が回ってくるとは」と驚き、「何らかの対策が必要」との認識を示した。
 「職員か部外者かわからないが、何者かが勝手に文書を入れた可能性が高い」と同課。「毎日かなりの数の文書がポストに入れられており、一つひとつチェックすることは困難」と対応の難しさを嘆くが、「棚に目が行き届きやすいように職員配置を変更するなど対策を考えたい」と話している。
 回覧板で偽文書を見たある市民は「公的な意味合いの強い回覧が、特定の意図を持った人や団体に利用される危険性があるということ。市役所の情報危機管理のあり方に疑問を感じる」と懸念している。

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