赤穂民報

坂越湾に迷子のイルカ(8月15日)

 坂越湾に15日、野生のイルカ1頭が現れた。体長1・6メートル前後で、体の色や背びれの形などからバンドウイルカとみられる。現地で確認した神戸市立須磨海浜水族園の長谷川修平副園長(64)は「群れからはぐれた子どもイルカのようだ。できるだけ静かに見守ってやってほしい」と呼び掛けている。
 「海の駅しおさい市場」の上田武司さん(45)によると、同日午前9時半ごろ、観光客から「イルカがいる」と通報があったという。イルカは午後になっても生島周辺を回遊。沿岸約10メートルにまで近づいたこともあった。
 バンドウイルカは体長約3メートルまで成長し、数十頭以上の群れで生息する習性。外洋性のため瀬戸内海で見つかることは極めて珍しい。仲間とスノーケリングをしていた市内の男性(49)は「キュキュキュと鳴きながら、手が届きそうな距離まで近づいてきた。まさか、赤穂の海で野生のイルカに会えるとは」と感激していた。
 湾に面した海岸や波止場には噂を聞きつけた見物人が多いときで50人近く集まった。親子3人で見に来た坂越の女性(33)は「水上バイクとぶつからないか心配」と不安そうに見つめた。
 地元漁師の協力で船からイルカを観察した長谷川副園長は、「まだ母乳を飲むような大きさだ。何らかの理由で母イルカと一緒に群れから離れた後、死別してしまった、とも考えられる」と推測。「孤独で精神的に弱っているはず。陸から遠目に見るのは問題ないが、あまり騒がしくしないほうがよい」と話す。
 同水族園は「自力で沖に戻るのが理想だが、もし、衰弱が進むようなら保護することもあり得る。変化があれば知らせてほしい」と情報提供を求めている。TEL078・731・7301。

(坂越湾に迷い込んだ子どもイルカ)

カテゴリ・検索
トップページ/社会/政治/文化・歴史/スポーツ/イベント/子供/ボランティア/街ネタ/事件事故/商業・経済/お知らせ

読者の声
社説
コラム「陣太鼓」
絵本の世界で旅しよう
かしこい子育て
ロバの耳〜言わずにはおられない
赤穂民報川柳
私のこだわり

取材依頼・情報提供
会社概要
個人情報保護方針

赤穂民報社
analyzer