赤穂民報

夜のスイッチ(9月21日)

 なんとも不思議なタイトルの絵本です。
 夜の嫌いな男の子は、夜になると早々とベッドにもぐり込みます。しかし、次から次へと夜の闇が忍びよります。
 ある夜、お父さんがいないので、家中の明かりを全部つけました。しかし、夜の闇の怖さは消えませんでした。そのとき、1人の黒い服を着た少女がどこからかあらわれ、少年に夜のスイッチを入れることを教えます。
 少年がおそるおそるスイッチを入れると、コオロギやカエルの鳴く声が聞えたり、星が一段と輝きだしたりします。2人は楽しいひと時を過し、次第に夜の闇のこわさが消えていきました。
 読み終わって考えてみたとき、子どものころ、夜の闇になんだか恐怖感をいだき、早く朝になってくれないかと願ったことを思い出しました。そんな時、朝にかける思いは今日では考えられないほど大きなものでした。
 一度、子ども時代にタイムスリップして、この絵本を手にとり「夜」とは何なのだろうと考えてみたいものです。
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 『夜のスイッチ』○文/レイ・ブラッドベリ○絵/マデリン・ゲキエア○訳/北山克彦○晶文社
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 ▽くぼっち先生=元中学校長の久保良道さん。国内外の絵本を集めた私設図書館「くぼっち文庫」で3000冊を超える蔵書を無料貸し出し。第2・第4土曜日に開館。有年原434。TEL49・2089。

(『夜のスイッチ』 ○文/レイ・ブラッドベリ ○絵/マデリン・ゲキエア ○訳/北山克彦 ○晶文社)

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