赤穂民報

尾崎・宮原の坂は「人情坂」(3月5日)

 「赤穂市の方々に感謝でいっぱいです」と書かれたはがきが神戸市在住の女性から本紙へ届いた。
 その文面によると、「三月一日午後四時頃、尾崎旧橋の近くの坂道で前の車をよけるため、左によりすぎ、前輪のタイヤが落ちて困っていた処、近所のたくさんの人達が前輪タイヤをもち上げて助けて下さいました」(原文まま)とある。
 本紙が取材したところ、現場は赤穂大橋東詰交差点を南へ曲がり、松原町交差点へと続く宮原地区の市道とわかった。
 救助時に立ち会っていた現場近くの住民の話では、ドンという大きな音がして表へ出ると、女性2人が乗った普通乗用車の左前輪が脱輪して動けなくなっていた。そこへ近所の住民たちがジャッキやコンクリートブロックを持って集合。高校生から大人まで男性7人で車体を持ち上げ、道路とほぼ同じ高さになるように積み上げたブロックの上に逸脱したタイヤを乗せた。その結果、女性が呼んだレッカー車の到着を待たずに救助が完了したという。
 住民たちの話では、現場道路は幅員が3メートルほどしかなく、以前から脱輪事故がしばしば。「今年のお正月にも同じようなことがあって、そのときも近所のみんなでお手伝いしました」。車を持ち上げる人、道具を持ち寄る人、交通整理する人、というように各自が自分に出来る行動を取ったという。
 はがきには「神戸から遊びに来て、道路も余り知らないので、本当に人の親切が身にしみました。本当にありがとうございました」とつづってあった。住民の一人は「ここの人たちは、困った人がいたら見てみぬ振りはできない人ばかりなんです」と話す。宮原の坂には温かい人情がある。

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