赤穂民報
エロイーサと虫たち(5月24日)
絵本の表紙には、クマのぬいぐるみを抱いた少女の周りにいろんな虫たちがいます。
虫たちの表現は奇抜で、あまりいい感じはしません。
女の子(エロイーサ)はお父さんと二人で遠い町に引っ越します。お父さんが仕事を探す間、彼女は学校へ行きます。友だちもなく、寂しく、悲しい時間が過ぎていきます。
まさに多くの虫たちに囲まれた時間です。時が経つにつれ、少しずつ学校にも慣れ、寂しさや悲しみが次第に消えていきました。だけど、前の町に残してきたものを忘れることはありません。残してきたものとは……。
2011年にミュンヘン国際児童図書館の優良図書ホワイト・レイブンス選定となった南米・コロンビアの絵本です。難民の現状を伝える絵本として国連難民高等弁務官事務所の支援を受け、メキシコで特別版が出版され、ラテンアメリカ各地に配布されました。
この絵本の少女と同じような気持ちで暮らしておられる人々への思いに少しでも寄り添うことができました。自分以外の人々の思いに触れる。思いを巡らすことも大切なことだと感じています。
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『エロイーサと虫たち』○文/ハイロ・ブイトラゴ○絵/ラファエル・ジョクテング○訳/宇野和美○さ・え・ら書房
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▽くぼっち先生=元中学校長の久保良道さん。国内外の絵本を集めた私設図書館「くぼっち文庫」で3000冊を超える蔵書を無料貸し出し。第2・第4土曜日に開館。有年原434。TEL49・2089。
(『エロイーサと虫たち』 ○文/ハイロ・ブイトラゴ ○絵/ラファエル・ジョクテング ○訳/宇野和美 ○さ・え・ら書房)
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