赤穂民報
ユーモラスな絵本(7月12日)
絵本のなかには、心をほっこりと、でもなぜか気持ちを温かくさせてくれる絵本が何冊もあります。
『あめふりの おおさわぎ』もそのうちの一冊です。
物語は、ある土曜日の朝に急に雨がざあざあと降りだし、町中が次々とてんやわんやの大騒ぎ。犬はほえるは、鶏が鳴くは、車は渋滞するは、人々は怒鳴り合うは…。しばらくして、雨が止むと、それまでとは打って変わって…。
雨降りで大騒ぎをしながらも、人々の暮らしぶりをユーモラスに明るく伝えてくれている絵本です。
読んでいて、ふと思ったのですが、戦後の日本人の暮らしは、地域社会に根付いていた絆は弱まり、アメリカから輸入された「家族中心主義」や「個人の尊重」といった思想が広がりました。その傾向は、今日ではますます強くなってきています。
アメリカ的な暮らしに近付こうとしているうちに、何か大切なものを忘れてしまったのではないでしょうか。そんな思いがしてなりません。
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『あめふりの おおさわぎ』○作/デイビッド・シャノン○訳/小川仁央○評論社
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▽くぼっち先生=元中学校長の久保良道さん。国内外の絵本を集めた私設図書館「くぼっち文庫」で3000冊を超える蔵書を無料貸し出し。第2・第4土曜日に開館。有年原434。TEL49・2089。
(『あめふりの おおさわぎ』 ○作/デイビッド・シャノン ○訳/小川仁央 ○評論社)
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