赤穂民報

【読者の声】“不自然”感じた電気工事入札(10月18日)

 8月8日に開札された「赤穂海浜スポーツセンター電気施設整備工事」の入札なのですが、市内の電気工事会社3社が参加した結果、8200万円でA社が落札。残り2社の入札額はB社8300万円、C社8390万円でした。
 ところが、この前月の7月11日に開札された「赤穂海浜スポーツセンター電気設備工事」にも同じ3社が応札しており、このときの入札額はA社5500万円、B社5260万円、C社5950万円で、いずれも最低制限価格(6300万円)を下回って失格していました。予定価格は8400万円でした。
 これら2件の工事は名称こそ微妙に異なりますが、7月に不調となった工事に「防犯カメラ5台」が追加されただけで、あとは同じ工事概要でした。にもかかわらず、A社は2700万円、B社は3040万円、C社は2440万円を上積みしています。「防犯カメラ5台」の工事が増えただけなのに、あまりにも増額幅が大きく、大変不自然に感じます。
 各社が5000万円台で請け負えると見積もった工事に6300〜8400万円を見込んだ市の積算も疑問です。いずれにしても、今回の入札が適正だったとは到底思えません。(一市民)
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 公表されている工事概要によると、問題の入札は平成27年度の早い段階での供用開始を目指す「赤穂海浜スポーツセンター(SC)」のナイター照明、街路灯、放送設備などを整備するもの。投書主の指摘のとおり、2件の違いは附帯工事として「防犯カメラ5台」があるかないかだけ。設計を担当した都市整備課公園街路係も「防犯カメラ以外は同一」と認めている。赤穂民報が情報公開請求で入手した工事費内訳書によると、防犯カメラに係る設計額は、およそ150万円だった。
 入札業務を所管する市契約管財課によると、いずれの入札も赤穂市内に本店、本社がある事業者を対象とする「郵便応募型条件付き一般競争入札」(以下、郵便入札)で行われ、「電気工事の総合評定値が750点以上」であることなどを応募資格要件としていた。
 市の実施要綱では、入札が不調になった場合は1回を限度に再度入札が可能だが、1回目の入札で最低制限価格を下回った事業者は失格となり、再度入札に応募できない取り決め。今回のケースでは失格した3社以外に要件を満たす業者がなかったため、(1)市外の業者を対象にした指名入札(2)設計を変更して別件の郵便入札−のどちらかの対応を迫られ、市は「市内業者の育成」を考慮して後者を選択したという。
 2件目の予定価格は8560万円、最低制限価格は6590万円で、落札率は95・8%だった。市契約管財課は取材に対し、「(2件目の入札は)結果的に、予定価格と最低制限価格を容易に類推できるおそれがあったことは否めない」としつつも、「入札は条例と規則に基づいて適正に行われており、問題はない」と話している。
 ▼都市整備課公園街路係の話=「指摘の2件の入札は、それぞれ異なる別の工事。競争原理は働いている」
 ▼工事を落札したA社の話=「1件目のときは書類だけで積算して入札した。2件目の入札の前に初めて現場を確認し、防球ネットや人工芝がすでに設置されていて工事が容易でないことがわかり、入札額に反映させた。業者間で相談などしていない」
 ◆予定価格と最低制限価格=予定価格は発注者が事前に設定する落札上限額で、これより高い入札額だと落札できない。最低制限価格は極端な低入札価格による受注を防止して工事の品質を確保するためのもので、これを下回ると失格となる。赤穂市は郵便入札については導入した平成18年以降、予定価格を公告の時点で公表していたが、「適切な積算を行わずに入札するなどの弊害が生じかねない」として、今年4月から事後公表に変更した。
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赤穂民報より
 市内業者を優先する考えには賛同しますが予定価格や最低制限価格を簡単に予測されないように工事を分割するなど努めるべきだったのではないでしょうか。事業者には、不正がないか目を光らせている市民がいることを心してほしいと思います。

(赤穂海浜スポーツセンターをめぐる電気工事入札の経緯)

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