赤穂民報
泉岳寺横マンション、義士も「御免」(2月7日)
赤穂藩浅野家の菩提寺・泉岳寺(東京都港区)の近隣地で義士墓所を見下ろすように建設中の8階建てマンションの反対運動に取り組む「泉岳寺の歴史的文化財を守る会」(西須好輝代表)に四十七士の一人、「堀部安兵衛武庸」を差出人とする手紙がこのほど届いた。運動を後押しする文面で、カンパの宝くじが同封。同会は「運動を頑張る励みと勇気になりました」と感謝している。
手紙は和紙風のA4判用紙に縦書きでワープロ印刷。「近頃なにやら騒がしく ぐらぐらと揺れることあり」の書き出しで「殿もやすやす眠れぬゆえ御免こうむりたく」とマンション建設を皮肉。「眺めよき空をいつまでもお守りいただきたく お願い申し上げ候」と景観保護を訴えている。
また、「刀なき穏やかな世なるも 金欲に勝るものなきは これまた虚し それを戒めることの出来ぬ 義の心なき世は やがて滅びゆくが必定」と経済活動が優先されがちな現代社会を風刺。「なにとぞ お上の御裁きをもって私心を戒め 義の心を取り戻していただきたく重ねてお願い申し上げ候」と結んでいる。
同会によれば、封書は先月26日に郵便で送られ、消印は堀部の生誕地とされる新潟県新発田市だった。封筒に差出人の住所、氏名はなかった。宝くじ、ナンバーズ4、ロト6が計47口同封。手紙には「仲間の浪士にも工面いただき 四十七口購入いたし候」とあった。
「差出人に心当たりはないが、とてもありがたい」と同会。宝くじが当たれば、会が港区に求めている建設用地買い取りの費用に活用するつもりだ。
(泉岳寺横マンション建設の反対運動を支援しようと「堀部安兵衛」から届いた宝くじ入りの手紙)
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