赤穂民報

関福大・加藤明先生の「応援します!かしこい子育て・教育・介護」【第3回】(2月14日)

【タラちゃんを育てよう】
 少ない子どものまわりに、老婆心が溢れている。これが日本の子どもを取り巻く状況です。
 一人ひとりの子どもを丁寧にも手塩にかけて育てることができるというメリットもありますが、その反面、人間関係がつくれない、友達がつくれない、コミュニケーションが苦手な子どもが育つというデメリットがあります。つまり、人とつきあえない子ども達です。
 兄弟姉妹やたくさんの家族と暮らすだけで、いろんなことが学べます。年上は、がまんや優しさ、責任感、気配り、そして手加減することを。年下は、がまん、悔しさ、尊敬、甘え、年上に対するものの言い方などを学びます。家庭の中でコミュニケーション力をつけながら学べるわけです。
 漫画「サザエさん」(長谷川町子作)に出てくるタラちゃんは、とても賢い子ですね。どうして賢く育ったのか。そのわけは、家族構成にあります。サザエさんの家は、昭和の家族の典型です。タラちゃん(タラオ)のまわりには、両親のサザエとマスオ、サザエの弟と妹のカツオとワカメ、そして祖父母のフネと波平もいます。タラちゃんは、毎日の暮らしの中でいろいろなコミュニケーションや人とのかかわり方を経験します。その組み合わせは、何と120通りに上ります。賢くなるわけです。
 「地域で子どもを育てよう」という言葉を聞くことがあります。今、私たちにできることの一つは、大人同士、保護者同士がコミュニケーションを活性化して仲良くなり、「サザエさんの家」と同じ状態を地域に作り出すことです。それが、暮らしの中で子どもを育てる、地域が協働して子どもを育てることになるのです。(関西福祉大学・学長)

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