赤穂民報

関福大・加藤明先生の「応援します!かしこい子育て・教育・介護」【第5回】(3月21日)

【かばんは「倉庫」じゃありませんよ】
 この4月から小学校の教科書は、新しくなります。私が執筆している「生活科」の教科書は「どきどき わくわく1ねんせい」というページから始まります。新しい生活や出会いに、どきどきするけれども、わくわくする。そんな1年生に学校生活を上手く送るために最初に教えてやりたいことは「かばんは倉庫ではなく、物を運ぶための道具」ということです。
 これは、大人にも耳の痛いところです。学校から帰ってきたら、まず鞄の中の物を全部出してみる。連絡帳、家庭へのプリント、算数の教科書、国語の教科書等々、そして宿題を済ませてから、明日の用意を連絡帳を見ながら整える。この習慣を家庭でつけてやることができれば、安心なのです。
 この習慣がついていないと、忘れ物や宿題忘れ、さらには臭いとともに発酵した給食のパンが出てきたり、くしゃくしゃになった書き取りテスト、渡さなければならなかった家庭へのお知らせのプリントなどが後から出てきたりすることになります。
 このような学習習慣、生活習慣が、学力向上の基盤になりますが、他の学年でも、桜の季節をきっかけにこの習慣を確実にすることが大切です。なかなか一人ではできない子には、誰かがついてやっていっしょにやること。そしてだんだんと手を引き、ひとり立ちをめざせばいいのです。
 先生方に一言。宿題忘れをなくすための効果的な方法は、学校で宿題を少し先取りすることです。「今日の宿題は、明日から新しく勉強する『かさこじぞう』をすらすら読めるように練習してくること」で終わらずに、「3分間あげるから、一度声を出して読んでごらん」と先取りをさせるのです。そして「読みにくいところや、漢字が分かったでしょう。それをすらすら読めるように練習するのが、今日の宿題です」とやればいいのです。これは家庭での学習習慣、生活習慣づくりのための効果的な方法でもあるのです。(関西福祉大学・学長)

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