赤穂民報

古井戸に落ちたロバ(4月18日)

 このタイトルからどんな物語を想像されますか。
 再話(伝わっている話などを現代的な表現にすること)された北山耕平さんは、絵本の帯に書いています。
 「生きるとはどういうことかを教えてくれるアメリカインディアンに古くから伝わるおはなし。どんなに生きる時代が変ったとしても、生きることがこういうものであることは、なにひとつ変わっていないようです。」
 かなり難しそうな物語かと思いましたが、そうではありませんでした。
 年寄りのロバがじいさまに連れられて荷物を運んでいるとき、誤って古井戸に落ちてしまいます。ロバの悲壮な鳴き声が聞こえてきますが助けてやることができません。じいさまは、このままほっておけば、また古井戸に落ちることもあると思い、涙をのんで一族の者を集めて古井戸を埋めることにしました。ロバはどうなったのでしょうか…。
 簡潔でわかりやすい物語の中に、「人はどう生きていくべきか」という大きなテーマが描かれています。なんとも言えない愛くるしい絵が、物語をより深いものにしています。
 くぼっち文庫には、アメリカインディアンの絵本が何冊かあります。どれもが読み終わったときに、フーッと大息をつくものばかりです。彼らが今日まで伝承してきたティーチングストーリー(教訓になるお話)を手にしてみてください。
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 『古井戸に落ちたロバ』○再話/北山耕平○絵と文/oba○監修/EAGLE HIRO○じゃこめてい出版
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 ▽くぼっち先生=元中学校長の久保良道さん。国内外の絵本を集めた私設図書館「くぼっち文庫」で3000冊を超える蔵書を無料貸し出し。第2・第4土曜日に開館。有年原434。TEL49・2089。

(『古井戸に落ちたロバ』 ○再話/北山耕平 ○絵と文/oba ○監修/EAGLE HIRO ○じゃこめてい出版)

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