空き家管理条例 住宅以外も適用へ
2018年03月17日
管理不全な建築物の倒壊や火災などによる被害予防を図ろうと、赤穂市は、住宅に限定している空き家適正管理条例の適用範囲を建築物全般に拡大する条例改正案を開会中の第1回定例会に上程した。
可決されれば4月から施行され、店舗や倉庫などにも市が立ち入り調査や指導、勧告などを行えるようになる。
同条例は平成27年1月に施行。▽倒壊や建築資材などの飛散▽周辺環境を阻害▽犯罪や火災の誘発−のいずれかの恐れがある「管理不全な状態」の空き家があった場合、立ち入り調査や所有者への指導、勧告、命令などをできる権限を市長に認めたが、適用対象を「人の居住の用に供する建築物」としたため住宅以外は適用外だった。一方、同年5月に全面施行された国の空家対策推進特別措置法は対象を「建築物」としたことから、法律と条例が一部整合しない状態となっていた。
市民相談窓口の市民対話課によると、かつて店舗だった建築物で倒壊の恐れや衛生上の問題があるなどとして市民から苦情が寄せられたケースが数件あり、これまでは「所有者に適切に管理するよう要望する」しかできなかった。条例改正後は、こうした住宅以外の建築物についても条例に基づき、市が指導や勧告を行い、命令に従わなければ代執行も可能になる。また、「管理不全な状態」に「著しく景観を損なっている状態」を追加した。
市都市整備課のまとめでは、条例に基づき、自治会から危険空き家として情報提供があった住宅は3月15日時点で44軒。うち17軒が解体撤去された。
市が昨年度実施した調査では、市内家屋件数3万906戸の4・1%に相当する1258戸が「空き家」で、うち548戸が「すぐに倒壊の危険はないが損傷が激しい」、64戸が「倒壊の危険が切迫」と判定されている。
市は、「危険空き家」の除却費を一部補助する制度を設けているが、「今後、申請件数の増加が見込まれる」として、4月以降の補助率と上限額を現行の「3分の2(上限約133万円)」から「2分の1(同100万円)」に縮小する予定。一方、これまで県事業で行っていた、空き家を住居や事業所、地域交流拠点に活用する場合に改修費などを補助する「空き家活用支援事業」を市事業に切り替え、積極的な利用を推進する。除却よりも利活用を進める方向に重点をシフトする。
掲載紙面(PDF):
2018年3月17日(2270号) 1面 (9,382,713byte)
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可決されれば4月から施行され、店舗や倉庫などにも市が立ち入り調査や指導、勧告などを行えるようになる。
同条例は平成27年1月に施行。▽倒壊や建築資材などの飛散▽周辺環境を阻害▽犯罪や火災の誘発−のいずれかの恐れがある「管理不全な状態」の空き家があった場合、立ち入り調査や所有者への指導、勧告、命令などをできる権限を市長に認めたが、適用対象を「人の居住の用に供する建築物」としたため住宅以外は適用外だった。一方、同年5月に全面施行された国の空家対策推進特別措置法は対象を「建築物」としたことから、法律と条例が一部整合しない状態となっていた。
市民相談窓口の市民対話課によると、かつて店舗だった建築物で倒壊の恐れや衛生上の問題があるなどとして市民から苦情が寄せられたケースが数件あり、これまでは「所有者に適切に管理するよう要望する」しかできなかった。条例改正後は、こうした住宅以外の建築物についても条例に基づき、市が指導や勧告を行い、命令に従わなければ代執行も可能になる。また、「管理不全な状態」に「著しく景観を損なっている状態」を追加した。
市都市整備課のまとめでは、条例に基づき、自治会から危険空き家として情報提供があった住宅は3月15日時点で44軒。うち17軒が解体撤去された。
市が昨年度実施した調査では、市内家屋件数3万906戸の4・1%に相当する1258戸が「空き家」で、うち548戸が「すぐに倒壊の危険はないが損傷が激しい」、64戸が「倒壊の危険が切迫」と判定されている。
市は、「危険空き家」の除却費を一部補助する制度を設けているが、「今後、申請件数の増加が見込まれる」として、4月以降の補助率と上限額を現行の「3分の2(上限約133万円)」から「2分の1(同100万円)」に縮小する予定。一方、これまで県事業で行っていた、空き家を住居や事業所、地域交流拠点に活用する場合に改修費などを補助する「空き家活用支援事業」を市事業に切り替え、積極的な利用を推進する。除却よりも利活用を進める方向に重点をシフトする。
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投稿:赤穂民報 2018年03月20日コメントを書く