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赤穂緞通作家目指して修業の主婦 自宅に工房

 2023年05月13日 
 赤穂緞通の織り手になることを目指して約5年間修業してきた主婦が今春独立。目標だった工房を開設した。「長く制作活動を続けられるよう、技術を磨いていきたい」と抱負を話している。

赤穂緞通作家として独立して自宅に工房「花鳥風月」を開設した宮本理絵さん


 工房を開いたのは板屋町の宮本理絵さん(42)。夫と高校3年の長男の3人家族。今年3月末に新築竣工した自宅の6畳間に一畳敷の緞通を織ることができる織機を据え付けた。赤穂緞通の文様のモチーフに自然界の草花や生き物が多いことにちなみ、工房名を「花鳥風月」と名付けて4月12日にオープンした。

 宮本さんは5年前、当時勤務していた赤穂化成が募集した地域の伝統文化を継承するプロジェクトに参加。その活動の一環で坂越の赤穂緞通作家、柳田緑さん(75)の工房で製作を体験するうち緞通の魅力に引き込まれ、会社を退職して弟子入りした。平日の朝から夕方まで柳田さんの工房に詰めて技術の習得に励み、昨年の全国伝統的工芸品公募展に初出品で入選。工房開設を前に弾みがついた。

 工房は1階の道路に面した位置にあり、開口部の大きい掃き出し窓から光が入る。壁は漆喰風の白い壁紙で統一し、ピクチャーレールに作品を吊り下げることができる。「織機や作品を見た人が赤穂緞通に興味を持ってくれれば」と、外から室内が見えるように間取りを設計した。「新居で一番日当たりが良い場所。わがままをきいてくれた家族に感謝しています」。

 「柳田さんから技術だけでなく、赤穂緞通の守るべき伝統や基本を丁寧に教えていただいたことが私にとっての財産」と宮本さん。織りたい柄は数え切れないほどあるが、当面はあえて難度の高い文様に挑戦して腕を磨いていくつもりという。

 可能な範囲で見学も受け入れる予定。連絡はメール(riery.0315-9214@docomo.ne.jp)で受け付ける。
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掲載紙面(PDF):
2023年5月13日号(2506号) 4面 (8,504,697byte)
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