「坂越船祭り」調査報告書が発刊
2011年06月18日
多くの地域住民が史料提供や聞き取り調査に協力して完成した「坂越の船祭り総合調査報告書」。表紙の切り絵は佐方直陽さん作
「坂越の船祭り」は大避神社の祭礼で、毎年10月の第2日曜日に行われる。坂越湾の生島にある「お旅所」へ神輿を乗せた祭礼船団が巡航する神幸祭。同神社の記録には寛永14年(1637)の頭人の氏名が書かれており、遅くともその頃にはすでに祭りが行われていたとみられる。
平成4年に文化庁から「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択され、市教委が同庁と県の補助で平成19年度から4年間かけて調査を実施。民俗学などが専門で祭礼行事研究の第一人者である植木行宣氏(元京都学園大教授)を団長とする専門家18人の調査団が3回にわたって祭礼の実際を視察し、地域住民への聞き取りと史料収集を積み重ねた。
出来上がった報告書はA4判534ページ。祭礼の概要を豊富な写真、図表とともに詳細に記述した。資料編では古文書類の翻刻史料46点を収録し、歌船や獅子舞などで演奏される囃子25曲を楽譜化した。巻頭のカラーページには華やかな海上渡御の様子を描いた祭礼絵巻など史料写真を掲載している。
調査に協力した地域住民は300人近くに上る。事務局として編集業務に関わった市教委の中田宗伯・文化財担当課長(45)は「地元のみなさんの協力によって緻密な調査が可能になり、祭礼の歴史と特徴を余すことなく記録した価値ある一冊となった」と話している。
800部発行し、うち250部を頒布。1部1700円で市教委事務局(TEL43・6962)坂越公民館(TEL48・8080)などで販売する。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2011年6月18日(1948号) 1面 (8,008,029byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
演奏家協会が26日に定演 完成400年「赤穂上水」顕彰 [ 文化・歴史 ] 2016年06月18日五穀豊穣願って19日「お田植祭」 音楽とバレエで子ども芸術劇場 忠臣蔵扇子の新柄「大序」発売 [ 文化・歴史 ] 2016年06月11日毎月12日に雅楽サロン 吹奏楽と金管バンドの祭典 夏祭り奉献俳句を公募 塩屋荒神社 4年がかりで亡母の遺句集 [ 文化・歴史 ] 2016年06月04日8月に泉岳寺など義士史跡探訪ツアー 若狭野浅野家の旧札座で保存運動 [ 文化・歴史 ] 2016年06月03日赤穂ゆかりの画家が描いた「60年前」 [ 文化・歴史 ] 2016年05月25日食文化発信「天塩スタジオ」オープン 東浜町に緞通工房 製作工程見学可 [ 文化・歴史 ] 2016年05月20日繊細華麗な装飾の洋風陶磁器展 [ 文化・歴史 ] 2016年05月20日
コメントを書く