高野産廃「容認」の姿勢色濃く
2015年03月20日
赤穂市にとって大きな市政課題となっている産業廃棄物の最終処分場建設計画問題をめぐり、明石元秀市長は「安定型処分場」について、「関係法令に基づいて適正に管理すれば、環境への影響は極めて少ないものと認識している」との見解を示した。
17日の第1回定例会で市議の質問に答えた。全国各地の安定型処分場では汚染水流出や有毒ガス発生といった問題が起こっているケースもあり、市長の発言に対して一部の市議からは「危機感がなさ過ぎる」と危機管理意識の低さに批判の声が出ている。
赤穂市内の3カ所でそれぞれ進む産廃最終処分場の建設計画について、明石市長は今月3日の施政方針演説で、福浦地区の管理型処分場計画については「反対」と明言したものの、残りの2計画については触れなかった。16日から2日間にわたって本会議で行われた代表質問では複数の議員が産廃問題をテーマに市当局の考えを質した。
答弁で明石市長は、西有年地区の管理型処分場計画について、「事前協議を受けておらず、報道以上の情報は知り得ないが、赤穂の豊かな自然環境と清流・千種川を守るという見地からも大規模な管理型産廃処分場の設置は反対」と表明。また、福浦地区の計画については、「今後、県から条例に基づいて市長意見書を求められるが、事業者は説明責任をまったく果たしていない。『反対』の意見を提出したい」と改めてスタンスを強調した。
一方、高野地区の計画については「環境保全協定の締結、水質調査の追加実施など事業者への指導を行っている。市独自の水質調査、事業者への指導監督についても県と連携して市民の安全・安心の確保に取り組んでいきたい」と答弁。「市民の不安が払拭されたと思っているのか」との問いかけに、「これだけ市民のみなさんが不安に思っているものを『はい、よろしい』とはいかない」と返答したものの、全体としては「計画容認」の姿勢が色濃い発言内容だった。
産廃問題に関するその他の主な質問と市当局の答弁は次のとおり。
【産廃問題全般について】
−新たな処分場建設への抑止力、監視費用や問題発生時の対応資金とするため、産廃税の導入は検討できないか
「産廃行政を担当する県において検討すべき事項。市独自で導入する考えはない」
−環境部門の組織強化は具体的に何を行うのか
「『福浦地区産業廃棄物最終処分場建設反対赤穂市民の会』の担当窓口を設置し、協議の場を設けることから取り組む」
−「市民の会」の事務局を市内部に設置できないか
「法令に基づいて進んでいる事業であり、行政の立場として反対運動の事務局を受け持つのは問題があるのではないか」
−専任の弁護士を配置してはどうか
「現時点では考えていない」
【高野地区の計画について】
−事業者と結ぶ環境保全協定の内容は
「立ち入り検査、水質サンプリング、監視体制の強化が図れる内容にしたい」
−予定地に隣接する道路は赤穂市名義だが、赤穂市の隣地同意を取っていないのではないか
「道路と河川については同意が不要と県から聞いている」
−計画をいつ知ったのか
「報道を通じて昨年11月に知った。当時の事務処理については事務執行規則の決裁区分に基づき、適正に処理されたと考えている」
−事業者との協議は行っているのか
「(市が提出した)意見書の内容についての説明と指導を行った」
−前市長は自らの責任を表明したが、市長はどう認識しているのか
「赤穂市長として立場上、承継している。提出した文書についても責任がある」
掲載紙面(PDF):
2015年3月21日(2128号) 1面 (10,652,241byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
17日の第1回定例会で市議の質問に答えた。全国各地の安定型処分場では汚染水流出や有毒ガス発生といった問題が起こっているケースもあり、市長の発言に対して一部の市議からは「危機感がなさ過ぎる」と危機管理意識の低さに批判の声が出ている。
赤穂市内の3カ所でそれぞれ進む産廃最終処分場の建設計画について、明石市長は今月3日の施政方針演説で、福浦地区の管理型処分場計画については「反対」と明言したものの、残りの2計画については触れなかった。16日から2日間にわたって本会議で行われた代表質問では複数の議員が産廃問題をテーマに市当局の考えを質した。
答弁で明石市長は、西有年地区の管理型処分場計画について、「事前協議を受けておらず、報道以上の情報は知り得ないが、赤穂の豊かな自然環境と清流・千種川を守るという見地からも大規模な管理型産廃処分場の設置は反対」と表明。また、福浦地区の計画については、「今後、県から条例に基づいて市長意見書を求められるが、事業者は説明責任をまったく果たしていない。『反対』の意見を提出したい」と改めてスタンスを強調した。
一方、高野地区の計画については「環境保全協定の締結、水質調査の追加実施など事業者への指導を行っている。市独自の水質調査、事業者への指導監督についても県と連携して市民の安全・安心の確保に取り組んでいきたい」と答弁。「市民の不安が払拭されたと思っているのか」との問いかけに、「これだけ市民のみなさんが不安に思っているものを『はい、よろしい』とはいかない」と返答したものの、全体としては「計画容認」の姿勢が色濃い発言内容だった。
産廃問題に関するその他の主な質問と市当局の答弁は次のとおり。
【産廃問題全般について】
−新たな処分場建設への抑止力、監視費用や問題発生時の対応資金とするため、産廃税の導入は検討できないか
「産廃行政を担当する県において検討すべき事項。市独自で導入する考えはない」
−環境部門の組織強化は具体的に何を行うのか
「『福浦地区産業廃棄物最終処分場建設反対赤穂市民の会』の担当窓口を設置し、協議の場を設けることから取り組む」
−「市民の会」の事務局を市内部に設置できないか
「法令に基づいて進んでいる事業であり、行政の立場として反対運動の事務局を受け持つのは問題があるのではないか」
−専任の弁護士を配置してはどうか
「現時点では考えていない」
【高野地区の計画について】
−事業者と結ぶ環境保全協定の内容は
「立ち入り検査、水質サンプリング、監視体制の強化が図れる内容にしたい」
−予定地に隣接する道路は赤穂市名義だが、赤穂市の隣地同意を取っていないのではないか
「道路と河川については同意が不要と県から聞いている」
−計画をいつ知ったのか
「報道を通じて昨年11月に知った。当時の事務処理については事務執行規則の決裁区分に基づき、適正に処理されたと考えている」
−事業者との協議は行っているのか
「(市が提出した)意見書の内容についての説明と指導を行った」
−前市長は自らの責任を表明したが、市長はどう認識しているのか
「赤穂市長として立場上、承継している。提出した文書についても責任がある」
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2015年3月21日(2128号) 1面 (10,652,241byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 政治 ]
対立候補「支持」の牟礼正稔・赤穂市長「信念に基づいて行動」「選挙終わればノーサイド」 [ 政治 ] 2024年11月20日齋藤県政2期目 長岡県議「是々非々で対応」 [ 政治 ] 2024年11月19日重点項目に「防災・減災」赤穂市予算編成方針 [ 政治 ] 2024年11月02日総合計画見直しへ提案や要望 市民ワークショップ [ 政治 ] 2024年10月03日19・20日に一般質問 14議員が登壇へ [ 政治 ] 2024年09月17日有識者会議「経営形態移行の検討速やかに」 市長は従わない意向 [ 政治 ] 2024年09月14日市の未来考えるワークショップ 参加者を募集 「丁寧な説明あったほうがよかった」牟礼市長が知事対応に苦言 赤穂市議会 26日と27日に一般質問 [ 政治 ] 2024年06月21日下水道使用料 平均18・4%の値上げ答申へ 検討委が大筋合意 [ 政治 ] 2024年06月01日病院事業管理者 給料5%カットへ 赤穂市議会 4人会派が3つに [ 政治 ] 2024年04月04日周世最終処分場の「閉鎖」市が撤回 赤穂市議会 6日と7日に代表・一般質問 [ 政治 ] 2024年03月04日下水道使用料 2009年度以来の値上げへ改定率協議
コメント
0 0
投稿:御身大事 2015年04月14日0 0
投稿:市民3 2015年04月13日この情報も平行して教えて欲しいものです。
0 0
投稿:しかしながら 2015年04月13日0 0
投稿:赤穂藩士 2015年03月24日0 0
投稿:赤穂藩 2015年03月23日0 0
投稿:遺恨はない! 2015年03月22日0 0
投稿:そこじゃないだろう 2015年03月22日0 0
投稿:諦めるな! 2015年03月21日0 0
投稿:今さら反対ムリでしょ 2015年03月21日コメントを書く