事務処理のミスや遅延を隠ぺいするために市長名義の契約書を偽造したなどとして、赤穂市は５月２４日、昨年度まで上下水道部の係長だった男性課長（５０）を停職６カ月の懲戒処分としたと発表。課長職を解く降任人事を行った。
　また、管理監督責任があったとして、同部の課長を「戒告」、部長を「訓告」とした。いずれも同日付け。
　市人事課によると、課長は上水道の電算データ処理業務委託費について、平成２５年度分の予算計上を失念。ミスを隠ぺいするため、偽造の契約書を業者に交付して業務を発注した。契約書の偽造は２７年度まで計３回行われた。今月上旬、業者から届いた請求書を別の職員が見つけて不正がわかった。
　また、２７年度に同部が別の業者に発注した会計事務コンサルティング業務では、自身の事務処理の遅滞を隠そうと、委託料請求を辞退する旨の業者名義文書を偽造。今月上旬に提出を受けた上司が不審に思って業者に確認し、問題が発覚した。
　課長は人事課の事情聴取に、「事務処理の失敗や遅れを隠すためだった。申し訳ない」と謝罪したという。同課によれば、２件の業務委託費の合計約４３０万円全額を課長が私費で支払っていたこともあり、上司や同僚は不正に気付かなかったという。コンサルティング業務については市と業者との間で正式契約されているため、市は課長個人が支払ったのとは関係なく、委託費約１１０万円を業者に支払う。
　上下水道部では昨年８月、別の男性係長が下水道工事に関する申請書や届出書５３件を処理せず放置したとして、戒告処分を受けた。
　▼明石元秀市長の談話＝「市民の皆様に多大なご心配とご迷惑をお掛けいたしましたことは誠に遺憾で、深くお詫び申し上げます。再びこのような事案が発生しないよう、職員を指導し、信頼回復に努めます」

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掲載紙面（PDF）：
2016年5月28日(2186号) 1面 (11,456,690byte)
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