十人十色タルトで音楽家歓迎
2016年10月06日
「ル・ポン国際音楽祭」の出演アーティストをイメージしたオリジナルタルトと鈴木誠さん
店主の鈴木誠さん(46)が「世界中から赤穂に集まってくれたアーティストのみなさんに感謝の思いを表したい」と音楽祭が始まった年から毎年続け、今年で10回目。おもてなしの心がこもったパンを出演者たちも楽しみにしているという。
今年は赤穂公演のステージに立つ10人それぞれをタルトに見立てた。「無花果とカシスのタルト」「4種のハムのキッシュ」など多彩な10種が店内中央の特設コーナーに並んでいる。アーティスト紹介を兼ねた手書きの商品説明プレートには顔写真、名前とともに「力強さと気高さ」「頼りがいのある存在」といった文言も。鈴木さんが各アーティストのCDを聴くなどして感じた印象を言葉にして添えた。
パンの構想を練り始めるのは、出演者の顔ぶれが決まる夏ごろ。プロフィールと写真から人柄や似合いそうな色を想像し、思い浮かんだキーワードをレシピに反映する。食材には好物や出身国の特産をできるだけ取り入れる。ある演奏家の好物がドイツパンとわかれば、その製法を学ぶために先輩職人の下へ“弟子入り”もした。
鈴木さんは、国際音楽祭の開催が決まった平成19年、「少しでも盛り上げに協力できれば」と樫本大進さんの記事が掲載されている雑誌の切り抜きなどを店内に貼り出した。それを知った樫本さんの母・潔子さんが東京からわざわざ来店。「演奏家を市民のみなさんが歓迎してくださることが何よりもありがたい」と感激する潔子さんの言葉に、「パン屋の自分にしかできない方法で歓迎しよう」という気持ちが高ぶり、アーティストをイメージしたパン作りを思いついた。
出演者たちにとって、鈴木さんの店を訪れることが赤穂での欠かせない楽しみの一つになっている。「僕たち音楽家が地元の人たちと触れ合える場をずっと作ってくれて本当にありがたい」と樫本さん。今回も赤穂滞在中に必ず立ち寄るつもりだという。鈴木さんは「勝手に思い立って始めたことなのに、気持ちを感じ取ってくれてうれしい。ル・ポンは赤穂の誇り。これからもずっと応援します」と話している。
いずれも1個250円(税別)で10月9日(日)まで販売。各日売り切れ次第終了。Tel42・3565。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2016年10月8日(2202号) 1面 (10,640,398byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
コメントを書く