忠臣蔵のふるさと・播州赤穂の地域紙「赤穂民報」のニュースサイト
文字の大きさ

赤穂民報


  1. トップページ
  2. かしこい子育て
  3. 記事詳細

関西福祉大学リレーコラム・第1回―公共を問い直す

 2017年01月28日 
 みんなにとって必要だから誰かがしなければいけないこと、みんなに関わる事柄を「公共」といいます。
 道路や水道の整備、治安、福祉などは公共の事柄なので、市役所や警察・消防といった公務員の方が対応します。しかし、公共はこれだけではありません。地域には自治会の仕事、学校にはPTAの役員、職場にも誰かがしなければならない業務があります。最も根本的なところでは、地域の政治も公共の事柄です。公共は「みんなの事柄」だから、当然、自分にも関係があるし、自分がしなければならない事柄もあります。
 では、私たちは普段、どのくらい公共のことを意識しているでしょうか。もしかしたら、公共のことを行う心(公共心)が弱まり、私たちは自分(私)のことしか考えられなくなっているかもしれません。これが、今回のコラムの背景にある問題意識です。
 ここでいう「自分(私)のこと」とは、自分の家庭や趣味という、いわゆるプライベートと呼ばれることだけではありません。仕事も含まれます。例えば、公務員の人でも、自分の役割しか行わず、「誰かがしなければならない業務」が生じたときに、それをしようとしなければ、公共心があるとは言えません。家庭にしても仕事にしても自分に関わる事柄が「自分のこと」であり、これに対して、みんなに関わるが故に誰かがしなければならない事柄が「公共」を意味します。
 公共の事柄に関する規範や価値観を道徳といいます。しかし、この道徳すら私的に使用されがちです。道徳の私的使用とは、自分の価値観を「これこそがみんなにとって大切なことだ」と押しつけることです。こうしたことも含め「自分のこと、自分の幸せ」を求めることが、逆に「自分を貧しくしてしまう」ように思えます。
 今回を含め5回にわたって、みんなの事柄(公共)を大切にすることが、結果として「自分を豊かにすること」、また、道徳の私的使用とは異なる「道徳の公的使用」といったものがあることをお話したいと思います。(中村剛・社会福祉学部教授)
<前の記事


掲載紙面(PDF):
2017年1月28日(2217号) 4面 (13,349,874byte)
 (PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)


コメントを書く

お名前 (必須。ペンネーム可):

メールアドレス (任意入力 表示されません):

内容 (必須入力):

※コメントは投稿内容を赤穂民報社において確認の上、表示します。
投稿ルールを遵守できる方のみご投稿ください。
今週のイベント・催し
23
(月)
 
24
(火)
25
(水)
26
(木)
27
(金)
 
28
(土)
 
29
(日)

最新のコメント

  • 《市民病院医療事故多発》医療ミスの脳外科医 業務上過失傷害罪で在宅起訴〜神戸地検姫路支部←この事件に強い関心がある者(12/28)
  • 《市民病院医療事故多発》「膿出し切る必要」現役医師が提言←赤穂市民(12/28)
  • 《市民病院医療事故多発》医療ミスの脳外科医 業務上過失傷害罪で在宅起訴〜神戸地検姫路支部←a(12/27)

各種お申込み

以下より各お申込み、資料請求フォームにリンクしています。ご活用下さい。

スマホサイトQRコード

スマホ用URLをメールでお知らせ!
e-mail(半角入力)


ドメイン指定受信をされている方は「@ako-minpo.jp」を指定してください。

閉じる
中村唯心堂 中道工務店 矢野防水工業 赤穂メモリアルホール 野中砂子土地区画整理組合 花岳寺 兵庫県警
閉じる
中村唯心堂 中道工務店 矢野防水工業 赤穂メモリアルホール 野中砂子土地区画整理組合 花岳寺 兵庫県警