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学校歯科健診で4人の乳歯抜く

 2018年03月17日 
 昨年4月に有年中学校であった学校歯科健診で、健診を担当した学校歯科医が生徒4人の乳歯を抜歯していたことがわかった。
 永久歯への生え替わりを迎えた乳歯を取り除いたという。市教委から委嘱を受けて学校歯科医を推薦した相生・赤穂市郡歯科医師会は「保護者の同意なく、しかも健診の場で治療行為を行っており、不適切だったと言わざるをえない。子どもにとってトラウマになる恐れもある」とし、学校へ謝罪。市教委は「不適切だった。再発防止に努めたい」と話している。
 市教委によると、抜歯された本数は3人が1本、1人が2本。いずれも麻酔をせずに行われ、1人は出血を伴った。歯科医は健診後に抜歯したことを学校側に報告し、「保護者から問い合わせがあれば、自分が説明する」と話した。その後、保護者から「驚いた」と1件連絡があったという。
 歯科医は同校の学校医を約30年間務めるベテラン。赤穂民報の取材に、「生え替わりでグラグラしている乳歯の残根があり、このまま放っておくと永久歯が虫歯になってしまう恐れがあると思った」と弁明した。10年ほど前にも「同じようにしたことがあった」といい、「良かれと思ってしたことだが、治療を勧告するまでに留めておくべきだった」と話した。
 市教委によると、「健診に使用する器具は生徒一人ずつ取り替えており、衛生面のリスクはない」という。問題の発覚を受けて市内すべての学校園に同様の事案がなかったか調査したところ、「他の学校園ではなかった」(指導課)という。
 歯科医師会は保護者と生徒にも謝罪したいと市教委を通じて申し入れたが、保護者側からは「そこまでしていただかなくてもよい」と返答があったという。
 文部科学省が策定した学校歯科健診マニュアルでは、生え替わりで抜けかけている乳歯は「要注意乳歯」として記録し、専門医の治療を受けさせるように保護者へ勧告することになっている。歯科医師会の内田学会長は「会全体で適切な健診方法を再度徹底する」と話している。
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掲載紙面(PDF):
2018年3月17日(2270号) 3面 (9,382,713byte)
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