引札に見る忠臣蔵の世界
2008年11月02日
歴史博物館で展示されている引札
引札は江戸時代に登場した広告媒体で現代の折込ちらしのルーツ。七福神や日の出など縁起のよい図柄や役者絵の余白に広告主の屋号を入れ、新装開店や売出しを宣伝する際に配られた。明治以降になると多色刷りが主流となり、当時珍しかったカラー印刷が庶民の注目を集めた。
特別展では明治から大正にかけて作られた、忠臣蔵を意匠した引札約70点を紹介。「赤垣源蔵徳利の別れ」や「大高源吾笹売り図」など講談で人気の高い場面が好んで描かれている。暦やすごろくなど付加価値をつけたものもあり、広告効果を高める工夫がうかがえて興味深い。
引札は年末あいさつ用の粗品としても多用された。図柄に忠臣蔵が使われたことについて同館は「年の瀬に高まる忠臣蔵人気にあやかろうとしたのでは」と推測。「美しい図柄を見ながら忠臣蔵の世界に浸って」と見学を呼びかけている。
来年1月12日(月・祝)まで。12月10日に一部展示替え。入館料は高校生以上300円、小中学生150円。開館時間は午前9時半〜午後5時で火曜と年末年始(12月28日〜1月4日)は休み。
期間中、同館で次の関連行事がある。問合せは同館Tel43・4600。
〔記念講演会〕
▽12月6日(土)午後1時半、「引札の歴史、引札から読む歴史」北川央氏(大阪城天守閣研究副主幹)
〔学芸員による展示説明〕
▽12月14日(日)午後1時半▽1月12日(月・祝)午後1時半。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2008年11月15日(1821号) 1面 (3,034,421byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
旧坂越浦会所の入館通算15万人に [ 文化・歴史 ] 2014年07月24日土器に見る渡来人の息吹 [ 文化・歴史 ] 2014年07月18日行燈の明かりに浮かんだ献納俳句 [ 文化・歴史 ] 2014年07月15日伊万里焼をテーマに茶話会 有年牟礼・山田遺跡の調査報告書刊行 [ 文化・歴史 ] 2014年07月12日姫響の演奏会、赤穂出身ピアニスト独奏も 師走の第九合唱へ練習スタート [ 文化・歴史 ] 2014年07月11日棟方志功の処女版画集を展示 [ 文化・歴史 ] 2014年07月11日葛籠、背負子など「昔ばなしと民具」展 [ 文化・歴史 ] 2014年07月04日市美展2014の作品募集要項 大石神社薪能、1日から前売り開始 色絵の美、絵付師・稲田芳雲展 [ 文化・歴史 ] 2014年06月26日「絵画を楽しむ会」のギャラリー展 [ 文化・歴史 ] 2014年06月23日豊かな実り願って早乙女がお田植え [ 文化・歴史 ] 2014年06月22日コンセル・ヌーボ第31回定演
コメントを書く