農村見つめた2人「森崎伯霊・渡辺うめ」展
2019年08月31日
森崎伯霊の色紙作品
森崎伯霊は姫路生まれで日本美術院特待。「近代忘れられがちな日本の風景や人情、特に農民の生活の中にも、人生の幸せが充分ある。この近しい美しさを掘り下げて一生描き続けたい」と、93歳で亡くなるまで絵筆を離さなかった。渡辺うめは青森市出身で太平洋戦争中に夫の故郷の但馬地方に転居。農民たちの暮らしぶりを形あるものにして残そうと、75歳から人形作りに取り組んだ。97歳で製作を終えるまで数多くの作品を仕上げた。
同館では2013年に「渡辺うめ展」、16年には「森崎伯霊展」を開き、いずれも好評を博した。2人の作品に「土に生きた人々へのあたたかいまなざし」を感じたという桃井香子オーナーが二人展を企画。約20点ずつを展示する。
作品テーマに共通性があり、ほぼ同じ時代を生きた2人。直接会ったことはなかったが、関係者によると、うめは生前に伯霊の作品を見て「一度会いたい」と口にしていたという。かつて伯霊に絵を教わるなど親交があった桃井オーナーは「二人の作品には、今の世の中から失われつつある人と人との結びつきや温かさがある。伯霊さんも、うめさんの人形にきっと共感したと思う」と話す。
「森崎伯霊 渡辺うめ 二人展」(赤穂民報社など後援)は11月4日(月)まで午前10時〜午後4時。火曜休館。鑑賞料500円(小1〜中3は200円、身障者300円)。TEL56・9933。
会期中イベントは次のとおり。表記のないものはワンドリンク・鑑賞券付き1000円(小人700円)で午後2時から。
▽吉田ふみゑさん(渡辺うめ研究家)と森崎大青さん(伯霊の4男)を囲んでの茶話会=9月8日(日)、9月22日(日)。
▽石野眞菜さん(うめの長女)・吉田ふみゑさん・森崎大青さんによるギャラリートーク=10月26日(土)。
▽渡辺うめ直伝!スキー人形ワークショップ=10月26日(土)午前10時、参加費1000円(材料費込み)。定員15人(小学生以上)で要予約。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2019年8月31日号(2338号) 1面 (6,437,190byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
完成400年「赤穂上水」顕彰 [ 文化・歴史 ] 2016年06月18日五穀豊穣願って19日「お田植祭」 音楽とバレエで子ども芸術劇場 忠臣蔵扇子の新柄「大序」発売 [ 文化・歴史 ] 2016年06月11日毎月12日に雅楽サロン 吹奏楽と金管バンドの祭典 夏祭り奉献俳句を公募 塩屋荒神社 4年がかりで亡母の遺句集 [ 文化・歴史 ] 2016年06月04日8月に泉岳寺など義士史跡探訪ツアー 若狭野浅野家の旧札座で保存運動 [ 文化・歴史 ] 2016年06月03日赤穂ゆかりの画家が描いた「60年前」 [ 文化・歴史 ] 2016年05月25日食文化発信「天塩スタジオ」オープン 東浜町に緞通工房 製作工程見学可 [ 文化・歴史 ] 2016年05月20日繊細華麗な装飾の洋風陶磁器展 [ 文化・歴史 ] 2016年05月20日赤穂美術協会 20日から第36回展 [ 文化・歴史 ] 2016年05月20日
コメントを書く