関福大リレーコラム・メディアリテラシーが家族を救う
2020年10月03日
メディア(情報媒体)からのメッセージを、主体的・批判的に読み解く能力のことをメディアリテラシーと言います。最近はリテラシーの種類も細分化されてますが、リテラシーとは読み書き能力のことです。
スマートホンによるインターネット利用が一般的なものになり、SNS(利用者同士が交流できるサービス)で誰でもコメントを発信できるようになると、デマやフェイク(嘘)ニュースが世間を騒がせるようになりました。
ある人物がデマを発信する理由は「注目されたい(承認欲求)」「世間を騒がせたい(愉快犯)」「誤解や早とちり(善意の拡散)」「自分の利益のため(出世や株価操作など)」様々ですが、気軽に投稿できるツイッターでは、発信者が何者なのか分からないため、流れてきた情報を鵜呑みにしてそのままリツイート(再投稿)すると、デマの加害者になってしまう恐れがあります。
トイレットペーパーがなくなる、というデマが拡散し社会を混乱させたのは記憶に新しいところですが、このデマをなぜ多くの人が信じてしまったのかは「交差ネットワークによる二度聞き効果」が絡んでいます。その情報の根拠が曖昧であっても、他のSNSでも話題になっていた、テレビで商品棚が空っぽの映像が流れたなど、交差する複数の媒体から同じ情報をキャッチすると、真実と確信してしまう心理が働き、そこに確証バイアス(自分の都合に合わせて情報を解釈する心の動き)がかかり、パニック行動を引き起こすのです。
そして個人のパニックは群衆の中で集団パニックを誘発します。メディアは人が作るものですから、そこに示されている情報には必ず何らかのバイアス(偏向)が含まれています。報道であれば、ある部分を分かりやすくクローズアップし、犯人は悪そうな顔、被害者は悲しそうな顔、観光地では皆楽しそうな顔、といった具合で、人がたくさん並んでいるラーメン屋の映像を見れば、おいしい店に違いないと思います。
それが新聞やテレビであれば、厳しいルールに基づき報道されるため、一定の信ぴょう性はありますが、インターネットメディアはまさに玉石混交です。
ネットで気になる情報を見かけた時や、情報が回ってきた時、「この話の最初の出どころはどこかな」「デマじゃないかな」と、家族の皆さんでエビデンス(根拠)を探る習慣をぜひ身に付けていただいて、被害者にも加害者にもならない充実したITライフを送ってください。(教育学部教職支援室准教授・石原義行)
掲載紙面(PDF):
2020年10月3日号(2387号) 3面 (8,274,756byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
スマートホンによるインターネット利用が一般的なものになり、SNS(利用者同士が交流できるサービス)で誰でもコメントを発信できるようになると、デマやフェイク(嘘)ニュースが世間を騒がせるようになりました。
ある人物がデマを発信する理由は「注目されたい(承認欲求)」「世間を騒がせたい(愉快犯)」「誤解や早とちり(善意の拡散)」「自分の利益のため(出世や株価操作など)」様々ですが、気軽に投稿できるツイッターでは、発信者が何者なのか分からないため、流れてきた情報を鵜呑みにしてそのままリツイート(再投稿)すると、デマの加害者になってしまう恐れがあります。
トイレットペーパーがなくなる、というデマが拡散し社会を混乱させたのは記憶に新しいところですが、このデマをなぜ多くの人が信じてしまったのかは「交差ネットワークによる二度聞き効果」が絡んでいます。その情報の根拠が曖昧であっても、他のSNSでも話題になっていた、テレビで商品棚が空っぽの映像が流れたなど、交差する複数の媒体から同じ情報をキャッチすると、真実と確信してしまう心理が働き、そこに確証バイアス(自分の都合に合わせて情報を解釈する心の動き)がかかり、パニック行動を引き起こすのです。
そして個人のパニックは群衆の中で集団パニックを誘発します。メディアは人が作るものですから、そこに示されている情報には必ず何らかのバイアス(偏向)が含まれています。報道であれば、ある部分を分かりやすくクローズアップし、犯人は悪そうな顔、被害者は悲しそうな顔、観光地では皆楽しそうな顔、といった具合で、人がたくさん並んでいるラーメン屋の映像を見れば、おいしい店に違いないと思います。
それが新聞やテレビであれば、厳しいルールに基づき報道されるため、一定の信ぴょう性はありますが、インターネットメディアはまさに玉石混交です。
ネットで気になる情報を見かけた時や、情報が回ってきた時、「この話の最初の出どころはどこかな」「デマじゃないかな」と、家族の皆さんでエビデンス(根拠)を探る習慣をぜひ身に付けていただいて、被害者にも加害者にもならない充実したITライフを送ってください。(教育学部教職支援室准教授・石原義行)
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2020年10月3日号(2387号) 3面 (8,274,756byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ かしこい子育て ]
関福大リレーコラム・STEAMからみる理科教育(2)〜粒子編 2022年03月18日関福大リレーコラム・STEAMからみる理科教育(1)〜生命編 2022年03月12日関福大リレーコラム・自己の学びを社会に還元する 2022年02月11日関福大リレーコラム・循環する学び〜人生100年時代を生き抜くために〜 2022年01月29日関福大リレーコラム・いくつになっても学ぶ幸せ 2022年01月01日関福大リレーコラム・「学びほぐす(unlearn)」〜生涯学習を楽しむ 2021年12月23日関福大リレーコラム・「ニコニコペース」でジョギングを 2021年11月26日関福大リレーコラム・スクリーンタイムを上手にコントロールしよう 2021年11月12日関福大リレーコラム・すべての身体活動には意味がある 2021年10月30日関福大リレーコラム・この秋から「プラス10」で運動を 2021年10月02日関福大リレーコラム・オリンピックから学ぶ3つの大切 2021年08月28日関福大リレーコラム・歯と歯ぐきの健康で感染症重症化予防を 2021年07月31日関福大リレーコラム・体内時計を整えて睡眠の質を向上 2021年07月10日関福大リレーコラム・朝の一杯で熱中症予防を 2021年06月27日関福大リレーコラム・「心の健康」保つためにいつもの日常に趣味を 2021年06月12日
コメントを書く