関福大リレーコラム・STEAMからみる理科教育(2)〜粒子編
2022年03月18日
前回の「生命編」に続き、今回は、「粒子編」です。小学校4年生では、「金属・水・空気」の温まり方を習います。日常生活でみられる現象を、実験を通して理解していきます。
はじめに、金属。金属は、どのように温まるでしょうか。温まると色が変わる金属棒や金属板を使う。すると、温められたところから順に色が変わります。この色の変化をタブレットやビデオカメラで撮影します。実験前と実験後の様子を比較できるのです。
これを日常生活に当てはめると…。金属棒は、スプーンやフォーク。金属板は、フライパンや鉄板になります。料理をすると感覚的に見えてくる。理科と家庭科との融合です。
次に、水。水の温まり方は、金属とは異なります。お風呂を想像してください。まず、温めたところから温まり、次に上の方から順に温まる。対流と言います。お風呂に入ったときに、上の方が熱い!となった経験がそれです。
最後に、空気。空気の温まり方は、実は水の温まり方と同じです。生活では、エアコンが例に挙げられます。温まり方を知っていれば、エアコンの風の向きをどうすれば良いかが分かります。風向きを上にするか、下にするか。効率よく部屋を温める方法が分かるのです。
このような日常に潜む科学を、他の教科と結びつけながら学ぶ。そこに、タブレットやカメラなどのデジタル機器を取り入れる。これが、現在の理科教育です。
2019年に経済産業省は、未来の教室ビジョンを提言しました。「学びの自立化・個別最適化」「新しい学習基盤づくり」、そして「学びのSTEAM化」です。STEAM教育を推進するには、問題発見・解決的な学習活動の充実を図ることが求められています。そこに、次世代の子どもたちが目指す教育があるのです。それは、枠組みに捉われない新たな試みです。(教育学部児童教育学科講師・吉澤樹理)
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2022年3月19日号(2455号) 3面 (10,554,762byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ かしこい子育て ]
関福大リレーコラム〜美しい日本語を受け継ぐ! 2024年12月21日関福大リレーコラム〜自分(らしさ)の育ちを支えましょう! 2024年09月07日関福大リレーコラム〜子どものウェルビーイングを高めるために 2024年07月27日関福大リレーコラム〜「生きづらさ」を抱える子どもたち 2024年07月13日関福大リレーコラム・想像する力に支えられるということ 2024年03月30日関福大リレーコラム〜言葉の向こう側 2024年03月23日関福大リレーコラム〜子ども達が楽しく生活するということ 2024年02月16日関福大リレーコラム〜気持ちが合うということ 2024年01月26日関福大リレーコラム〜子どもにとっての遊び 2024年01月01日関福大リレーコラム〜子どもの心の成長への支援〜神出学園と山の学校 2023年12月16日関福大リレーコラム・子どもの近視 2023年10月21日関福大リレーコラム・(1)コロナとマスク 2023年06月10日関福大リレーコラム・死を想うこと 2023年05月13日関福大リレーコラム・幸福に生きる 2023年04月01日関福大リレーコラム・よく生きる 2023年03月04日
コメントを書く