新型コロナウイルスワクチン接種が近隣市町に比べて遅れ気味になっている赤穂市は１４日、６５歳以上の接種希望者に７月末までに２回投与できる体制を整えようと、市独自の大規模接種と市内医療機関での個別接種を追加する方針を明らかにした。
　赤穂市では５月末時点で１万２６５３人が接種を予約。７月末までに２回接種できるのは、このうち約６８００人で、対象世代全体の約４３％にとどまっている。西播磨の他市町は同時期に少なくとも８０％に達する見込みで、市民から不満や疑問の声が出ていた。
　市によると、大規模接種は７月初旬の接種開始へ向け、すでに会場を確保。市の集団接種会場で１回目接種日を７月１２日以降に予約している人を対象に繰り上げ日程を割り当て、「今週中にも日時と場所を郵便で通知する予定」（新型コロナワクチン接種対策室）という。予約済みの集団接種に据え置きを希望する場合はコールセンターで受け付ける。
　さらに、大規模接種の予約枠で希望者を受け付けきれない場合に備え、個別接種も並行して実施する方針。１５日に関係医療機関への説明会を開き、日程や方法などの詳細を詰めるという。
　７月中の予約枠追加や個別接種の導入について、同対策室は今月９日の時点で赤穂民報の取材に、「すでに予約した人に対して不公平になる」「６５歳以上については、当初から集団接種で実施する方針で進めており、今から方針転換するのは難しい」などと難色を示していた。方針を転換したことについて、同対策室は「９日の時点ではまだ決まっていなかったが、市長からの指示で大規模接種と個別接種を導入することになった」と説明した。
　大規模接種と個別接種の導入は１４日の民生生活委員会協議会で藤本大祐副市長が明らかにした。藤本副市長は「遅きに失したかも知れないが、他の市町に追いつき、追い越すような接種体制を整えたい。６４歳以下についても早急に準備したい」と語った。
　赤穂市のコロナワクチン接種に関する問い合わせ先はコールセンターTel０１２０・７０４・７０７（午前９時〜午後５時）。聴覚に障がいのある人はファクス０７９・２２６・２０８７。

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