忠臣蔵のふるさと・播州赤穂の地域紙「赤穂民報」のニュースサイト
文字の大きさ

赤穂民報


  1. トップページ
  2. 社会事件・事故
  3. 記事詳細

《市民病院医療事故多発》さらに医療事故3件 計11件に

 2022年03月27日 
同一医師が関わった医療事故を新たに3件認め、計11件となった赤穂市民病院
 赤穂市民病院(藤井隆院長)で脳神経外科の同一医師が関わって多発した医療事故について、これまでに病院が事故を認めた8件とは別に、この医師による医療事故が3件あったことがわかった。

 藤井院長が25日の記者会見で明らかにした。病院はさらに判明した3件について発生日だけでなく、把握した時期や経緯についても「係争中の事案に関わるため答えられない」としている。

 また、病院は公表済みだった8件を含む計11件の医療事故について、今年2月24日と3月11日に院内医療事故調査委員会を開いたことも明らかにした。公表済みの8件については従来の判断と同様、うち1件が医療過誤だったとし、新たな3件は「手術後に経過が思わしくなかった。明らかなミスではない。過誤ではない」(藤井院長)と判断したという。

 病院は昨年8月に赤穂民報の取材に、「医療事故に関わった医師の手術をすべて調べ、医療事故とみられる8件をピックアップした」と説明していたが、病院関係者の証言では、この医師が病院から手術を禁止された2020年3月以降にも、脳にたまった水を除去するための手術で患者の体内に入れた管が肺に刺さる医療事故を起こしたとされる。
<前の記事


関連サイト:
【関連記事】手術禁止処分後にも医療事故


掲載紙面(PDF):
2022年4月2日号(2457号) 3面 (9,501,397byte)
 (PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)


コメント

長文お許しください。
一般に、医療過誤 医療事故、合併症と結果が思わしくなかった場合これらに区分されますが、確かに時代の変化とともに定義も曖昧になっているところも否めません。
実務的にどう区別しているかというと、医療過誤は、注意義務違反に対し賠償責任を負うレベルのものです。医療事故は、賠償責任までは負わないものの、少なくとも患者、家族に説明、および謝罪が必要なものです。合併症では、謝罪は必要ありません。謝罪の有無が大きな違いになると思います。この解釈にある程度の主観が入ることはお許しください。
 きちんとした検証が今年の3月に行われるまで、あいまいにしたまま、マスコミに対し8件の医療事故があったと発表していたようです。院長の会見では、11例の事故という部分について「予後が悪かったもの」と訂正しています。
 ここで問題が生じます。きちんと検証を行わずに事故と発表したこと自体、かなり大きな問題です。1例の医療過誤についてはみとめているようですが、ほかの10例について、事故だとしたら患者に対し説明、および謝罪をしたのかということです。またすべて合併症だとしたら、当該医師に対して、刑事民事とも名誉棄損ということになるでしょう。名前は公表されていませんが、Googleの検索は優秀です。
検証未了の理由で手術を無期限禁止と記事にありましたが、1年以上未了というのは怠慢と言わざるを得ません。漫然と手術を禁止していたのだとしたらこれは立派なハラスメントになります。11例中11例の予後不良なのか100例中11例の予後不良なのか当該医師の能力と手術禁止の範囲、程度と合併症率に乖離があれば、実力以下の仕事しか与えなかったということになるでしょう。外科医にとって、手術禁止は死刑宣告ですから。

なぜ事故かどうかもわからないものを8例(11例)の連続医療事故とマスコミに発表したのかということです。病院、現職スタッフ、市民、誰に対しても発表することのメリットが見えません。どんな足し算引き算をしてもメリットが見えません。専門家を交えた検証が今年3月まで行われていない状態で、素人(専門外の医師も含め)が事故として判断したもの発表する。これは、同業者としてはにわかに信じがたい。医療過誤はすべて公表すべきと思います。
医療従事者はご存じと思いますが、ある一定規模以上の病院ではincident report, accident reportというものを医療安全に提出することになっています。毎日、大きな病院では多数のincident, accidentが起きています。すべて発表することは現実的ではありませんし、どこの病院でもそこまではしていないと思います。これはリスクをとって、たくさん患者をみている病院ほど多くなります。Incident, accidentはある一定の確率で必ず起きます。医療安全の常識です。

 この中途半端な時点での発表の最大の問題点は、医療者の萎縮を招くことです。医療事故を起こさないための最善の方法は医療行為を行わないことです。医療スタッフ、特に外科系医師に対して赤穂市民病院は「事故が起こればそれは個人の責任で、かつマスコミに発表する」という強烈なメッセージを残したと思います。現在の医療安全の基本原則のひとつとして、個人の責任にしない。チームとして判断して、責任は病院が責任をとるというものがあります。そうしなければ、医師、特に外科医がリスクをとって患者さんを助けようとしなくなってしまうからです。
 どんな外科医でも初めての執刀は必ずあります。その時にすべて個人の責任にされたら誰も外科医を目指さなくなります。ただでさえ、休みもなく残業だらけのきつい診療科には人が集まらなくなっています。大都市の医局でなければ年間1, 2人入局すればいいほうじゃないでしょうか。日本の医療制度では9時5時の休みがしっかりある科と、3Kと呼ばれる科の給与は基本的に同じです。
 脳卒中全般、特に脳梗塞では1分ごとに大きく予後が悪くなります。外科的介入の適応からもはずれていきます。赤穂医療圏の患者さんはどうしているんでしょうか。心配です。
 これはあくまで憶測ですが、この病院の手術件数、特にhigh riskの手術は減っているんではないでしょうか。これだけ騒ぎになって、事故は起こせないでしょう。

 病院組織にとってもデメリットしかありません。まず病院の評判は地に落ちます。もちろん経営にも大きな打撃を与えます。また、医療過誤ではないものまで訴訟騒ぎになってその対応に追われることでしょう。
 そこまでしてなぜ発表する必要があったのか。ぜひ院長に聞いてみたいものです。

 まだまだ言いたいことはありますが、今日はこの辺で。質問があればお答えします。
 

26  103

投稿:同業者 2022年03月30日

新たな3件はミスではなく、経過が思わしくなかっただけで公表?よく意味がわからない。素人が普通に考えても病院が11件の医療事故を公表するって異常だと思う。記者会見では院長が謝罪しているものの、その11件の患者さんに経緯の説明は行われたのか、それで納得されたのか、全く触れらてなかったのが気になりました。

28  10

投稿:赤穂市民 2022年03月30日

コメントを書く

お名前 (必須。ペンネーム可):

メールアドレス (任意入力 表示されません):

内容 (必須入力):

※コメントは投稿内容を赤穂民報社において確認の上、表示します。
投稿ルールを遵守できる方のみご投稿ください。
今週のイベント・催し
23
(月)
 
24
(火)
25
(水)
26
(木)
27
(金)
 
28
(土)
 
29
(日)

最新のコメント

  • 市民病院の経営形態「変更の可能性ある」副市長が言及←***(12/29)
  • 《市民病院医療事故多発》医療ミスの脳外科医 業務上過失傷害罪で在宅起訴〜神戸地検姫路支部←この事件に強い関心がある者(12/28)
  • 《市民病院医療事故多発》「膿出し切る必要」現役医師が提言←赤穂市民(12/28)

各種お申込み

以下より各お申込み、資料請求フォームにリンクしています。ご活用下さい。

スマホサイトQRコード

スマホ用URLをメールでお知らせ!
e-mail(半角入力)


ドメイン指定受信をされている方は「@ako-minpo.jp」を指定してください。

閉じる
中村唯心堂 中道工務店 矢野防水工業 赤穂メモリアルホール 野中砂子土地区画整理組合 花岳寺 兵庫県警
閉じる
中村唯心堂 中道工務店 矢野防水工業 赤穂メモリアルホール 野中砂子土地区画整理組合 花岳寺 兵庫県警