日本初の坑道ラドン浴施設 開設への道のり映画化
2025年01月01日
今年でオープン15周年を迎える日本初の坑道ラドン浴施設「富栖の里」(姫路市安富町皆河)の歩みを映像で伝えようと、施設を手がけた元沖町の会社役員、亀井義明さん(78)をモデルにした映画製作が進んでいる。
開設までの苦労や家族に起きた出来事など実話に基づくストーリー。亀井さんは「映画を通して、この施設に込めた思いを知ってもらえれば」と作品の完成を待ち望んでいる。
同施設は、大正から昭和にかけて金などの鉱石を採掘した旧富栖鉱山を活用して2010年にオープンした。前年に現地を視察した亀井さんが、ヨーロッパの廃坑跡を利用したラドン治療施設などを参考に構想を練り、国内では例のなかった坑道ラドン浴施設に生まれ変わらせた。「ラドンが体の免疫力を高める効果がある」と評判を呼び、現在は療養や健康増進を目的に年間延べ1万数千人もの人々が施設を訪れ、体調が改善した人たちから喜びと感謝の声が届いている。
亀井さんは数年前から自叙伝を本にまとめようと手記をしたためた。出版準備を進めていたところ、知人が「本よりも映像の方がいいのでは」と提案。映像製作会社を紹介され、とんとん拍子に映画化プロジェクトが立ち上がった。数々の事業を手がけ、公私とも波瀾万丈な人生を歩んできた亀井さんにとっても特に思い入れの深い「富栖の里」にスポットを当て、昨年6月に台本が完成した。
タイトルは「ラドンの奇跡」。撮影は実際の坑道跡や施設でも行われ、亀井さんをモデルにした主人公が旧富栖鉱山の再生に向けて地元説明会を開くシーンでは自治会長が本人役を演じるなど地元住民が出演する場面もあるという。9月に始まった撮影はすでに終了し、今年3月に姫路市内で試写会を開いた後、5月ごろから本格上映する予定となっている。
監督・脚本の徳由美子さん(42)=姫路市=は「手記を読み、さまざまな苦難を乗り越えて願いを実現していった亀井さんの行動力に感動した。人と人の縁、一生懸命生きていくすばらしさを感じてもらえる作品にしたい」。亀井さんは「富栖の里の記録を何らかの形で残したかったが、まさか映画になるとは夢にも思わず、協力いただいたすべての皆さんに感謝したい。できれば赤穂でも上映の機会を設けたい」と話している。
映画「ラドンの奇跡」予告編は下のリンクから視聴できる。
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■映画「ラドンの奇跡」予告編(外部サイトへリンク)
掲載紙面(PDF):
2025年1月1日号・第1部(2581号) 1面 (9,039,435byte)
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開設までの苦労や家族に起きた出来事など実話に基づくストーリー。亀井さんは「映画を通して、この施設に込めた思いを知ってもらえれば」と作品の完成を待ち望んでいる。
自身をモデルにした映画『ラドンの奇跡』のポスターと亀井義明さん、監督の徳由美子さん
同施設は、大正から昭和にかけて金などの鉱石を採掘した旧富栖鉱山を活用して2010年にオープンした。前年に現地を視察した亀井さんが、ヨーロッパの廃坑跡を利用したラドン治療施設などを参考に構想を練り、国内では例のなかった坑道ラドン浴施設に生まれ変わらせた。「ラドンが体の免疫力を高める効果がある」と評判を呼び、現在は療養や健康増進を目的に年間延べ1万数千人もの人々が施設を訪れ、体調が改善した人たちから喜びと感謝の声が届いている。
亀井さんは数年前から自叙伝を本にまとめようと手記をしたためた。出版準備を進めていたところ、知人が「本よりも映像の方がいいのでは」と提案。映像製作会社を紹介され、とんとん拍子に映画化プロジェクトが立ち上がった。数々の事業を手がけ、公私とも波瀾万丈な人生を歩んできた亀井さんにとっても特に思い入れの深い「富栖の里」にスポットを当て、昨年6月に台本が完成した。
タイトルは「ラドンの奇跡」。撮影は実際の坑道跡や施設でも行われ、亀井さんをモデルにした主人公が旧富栖鉱山の再生に向けて地元説明会を開くシーンでは自治会長が本人役を演じるなど地元住民が出演する場面もあるという。9月に始まった撮影はすでに終了し、今年3月に姫路市内で試写会を開いた後、5月ごろから本格上映する予定となっている。
監督・脚本の徳由美子さん(42)=姫路市=は「手記を読み、さまざまな苦難を乗り越えて願いを実現していった亀井さんの行動力に感動した。人と人の縁、一生懸命生きていくすばらしさを感じてもらえる作品にしたい」。亀井さんは「富栖の里の記録を何らかの形で残したかったが、まさか映画になるとは夢にも思わず、協力いただいたすべての皆さんに感謝したい。できれば赤穂でも上映の機会を設けたい」と話している。
ロケを行う坑道内を説明する亀井さん
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