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災害対応に現場の声活かせ

 2009年08月22日 
市庁舎3階に設置された水防本部=10日午前1時32分(赤穂市提供)
 佐用町など千種川水系の自治体に大きな被害をもたらした「兵庫県西・北部豪雨」。赤穂市内では人的被害、家屋浸水はなかったが、被災の有無は雨雲の位置次第で“紙一重”だったともいえる。今回の大雨に行政はどのように対応したのか。冨永惠一・市安全管理監に話を聞いた(時間は24時制で表記)。
  * * *
−いつごろから警戒を強めたか。
 「9日11時ごろ、雲の動きをチェックするために登庁した。南方から次々と雲が湧き上がる衛星画像に異様さを感じ、そのまま居残った」
−豆田市長にいつ連絡したか。
 「赤穂市(木津)での時間雨量は9日10時の21ミリをピークに以降は5ミリ前後の小康状態が続いていたが、上流では強い雨が断続的に降り続いていた。16時の時点で佐用町の降り始めからの総雨量が100ミリに達し、さらに衛星画像で濃い雨雲がかかっていたため、上流部の雨水が大量に千種川を流下してくることは避けられないと思い、市長に電話を入れた」
−災害警戒本部はスムーズに立ち上がったか。
 「20時15分ごろから関係部署の幹部職員に電話連絡し、20時45分には全員が揃った。水防本部設置時には係長以上の職員を中心に210人を招集し、本部には市長以下約30人が詰めた」
−具体的にどのような対応をとったか。
 「県南西部に大雨洪水警報が出た14時15分ごろから河川パトロールを開始した。20時ごろまでには地域整備部と消防団が浸水のリスクが高い有年地区と周世地区で土のう約4300袋を敷設。避難勧告は広報車の他、有年地区の有線電話も活用した」
−佐用町、上郡町など上流部の状況はどのように把握したか。
 「大変な状況になっていると推測できたため、直接電話することはためらった。主にテレビ報道で情報を得ていた」
−上流部では流木などで水位計が壊れていたことがわかった。
 「機械が故障することはありうるため、災害警戒本部設置と同時に地域整備部の職員16人が楢原、矢野川、長谷川など8カ所に急行した。水防本部が解散する翌朝5時まで現地に張り付き、逐次目視による水位報告を受けた」
−平成16年の台風被災後、東有年では千種川堤防のかさ上げと河床の浚せつが行われた。防災効果はあったか。
 「今後詳しく検証してみる」
−今後の課題や教訓は。
 「避難のあり方についての再検証が必要だ。赤穂市内でも川や水路を渡らなければ避難所へ行けない世帯もある。地震災害と水害の避難所が同じでよいのか、勧告を出すタイミングはどのように判断すべきかなど見直したい。また、できるだけ早く職員が参集して動ける体制を整えることと市民への正確な情報提供の重要性を改めて認識した」
  * * *
赤穂民報より
 消防団関係者に話を聞くと、「土のう作成に必要な土と袋が底をついた」「最前線で作業していた団員に、避難勧告が発令されたとの情報がなかなか知らされなかった」などの問題点が聞こえてきました。芯の強い防災体制を築くためには、こうした現場の声も一つひとつ検証する必要があるのではないでしょうか。

■兵庫県西・北部豪雨による赤穂市内の主な出来事と対応
◆8月9日(日)            
18:00 消防団が有年地区で土のう作業開始
20:45 災害警戒本部を設置
21:50 木津で警戒水位(3メートル80)越える
22:00 水防本部を設置(水防指令1号)
22:45 有年公民館に避難所開設。避難所は10日午前0時20分までに計10カ所開設し、17人が避難
23:00 有年楢原地区の新田橋で特別警戒水位 (4メートル05)を突破
23:05 有年楢原地区118世帯に避難勧告
23:20 旧坂越橋を通行止め
◆8月10日(月)           
0:00 木津で特別警戒水位(5メートル25)突破
0:05 有年原95世帯、有年横尾197世帯に避難勧告
2:30 木津の水位が6メートル14を記録(今回の大雨による最高値)
4:20 全地域で避難勧告を解除
5:10 木津の水位が5メートル17まで下降。水防本部を廃止

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掲載紙面(PDF):
2009年8月22日(1860号) 1面 (8,774,341byte)
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