赤穂生まれの幕末期絵師「長安周得」展
2009年10月09日
田淵記念館で開催中の長安周得展
長安周得(本名・義信)は天明8年(1788)に赤穂で生まれた。大坂の画家・佐野龍雲から絵の手ほどきを受け、京都、奈良などで古画から学び得たという作風は優美かつ精緻。躍動的な筆使いが特長で、40歳で朝廷から「法橋」の位階を授かり、帰穂した。
故郷へ戻ってからは花岳寺門前に居を構え、この頃から「周得」と号した。赤穂藩から客分として処遇され、81歳で没するまで赤穂、岡山などで多数の作品を残した。
特別展では、法橋を叙任してから晩年までに手がけた40点を年代別に展示。同館所蔵の未公開作品も含まれる。
「老松群鶴図」は岡山県久米郡の誕生寺客殿を飾るふすま絵。羽を休めるツルのそばに描かれた老松は狩野永徳を彷彿とさせる豪快さがあり、周得の代表作と言える。酒呑童子の退治に向かう源頼光一行を描いた「大江山図屏風」は周得70歳の作。筆致はしなやかで鋭く、金粉を散りばめて彩色鮮やかに仕上げている。
味呑英和学芸員は「周得にスポットを当てた展示機会は貴重。渾身の作品の数々を堪能してもらえれば」と話している。
12月14日(月)まで午前9時〜午後5時。火曜休館。11月11日(水)に一部展示替え。11月1日と12月6日に学芸員による展示説明会がある(いずれも日曜日で午後2時から)。
入館料は大人300円、小・中学生150円。Tel42・0520。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2009年10月10日(1866号) 1面 (7,667,924byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
緞通図面の裏打紙に帳簿資料 [ 文化・歴史 ] 2014年06月14日絵画と写真のダブル個展 [ 文化・歴史 ] 2014年06月14日プロ演奏を気軽に楽しめるコンサート 子ども茶道教室、小中学生を募集 児童合唱団に「草の根国際功労賞」 [ 文化・歴史 ] 2014年06月11日7団体が出演、ブラスの祭典 加里屋川のネイチャー写真展 [ 文化・歴史 ] 2014年06月08日写真や絵画など仲間6人展 [ 文化・歴史 ] 2014年06月04日懐かしのアニメ主題歌など男声合唱 ル・ポン音楽祭、10月13日開幕 国重文弊殿で獅子舞奉納へ [ 文化・歴史 ] 2014年05月31日国芳の忠臣蔵錦絵50枚揃い寄贈 チャイコフスキー国際の優勝者が演奏会 アートマイルがユネスコ奨励事業に 「赤穂の空」テーマに写真展 [ 文化・歴史 ] 2014年05月24日
コメントを書く