浅野長直再興の古刹 縁起文書を初公開
2009年12月03日
赤穂市教委に寄贈された「高雄山神護寺縁起」
市教委によると、同寺は鎌倉初期に文覚上人が開創。中世に栄えた後衰微したが、赤穂城を築城した長直が城の鬼門の守りとして境内に山王神社を建立し、寺も再興した。長直が扁額を、大石内蔵助が石灯ろうをそれぞれ寄進している。昭和30年代から無人となり、現在は尾崎の如来寺が管理している。
巻物は山王神社の神官子孫宅に家宝として代々伝承され、今年9月に寄贈を受けた市教委が解読を進めてきた。
木箱に納められ、表紙、軸木はなかった。和紙を継いだ幅約37センチ、長さ約3・9メートルの巻紙に「高雄山縁起」の書き出しで、漢文体でつづられている。巻末に「当山住僧實乗」「元禄五壬申暦六月十四日」とあり、再興後の初代住職・寛純の跡を継いだ實乗が筆記したものとわかった。
ところどころ欠損しているが、おおむね保存状態は良好。赤穂藩家老で内蔵助の大叔父にあたる大石頼母助良重が寛純の招へいを長直に願い出たことや、明応年間(1492−1501)には「長慶」という高僧が托鉢で資金を集めて寺を復興したことなど、創建から当時に至る寺の盛衰が詳しく記されている。
市教委では公開後、専門機関に補修を依頼する予定。「浅野家、大石家ともゆかりの深い名刹に関する文書。今後も大切に保管、展示したい」と話している。
特別公開は12月14日(月)まで午前9時〜午後5時。Tel42・0520。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2009年12月5日(1873号) 1面 (11,868,936byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
土器に見る渡来人の息吹 [ 文化・歴史 ] 2014年07月18日行燈の明かりに浮かんだ献納俳句 [ 文化・歴史 ] 2014年07月15日伊万里焼をテーマに茶話会 有年牟礼・山田遺跡の調査報告書刊行 [ 文化・歴史 ] 2014年07月12日姫響の演奏会、赤穂出身ピアニスト独奏も 師走の第九合唱へ練習スタート [ 文化・歴史 ] 2014年07月11日棟方志功の処女版画集を展示 [ 文化・歴史 ] 2014年07月11日葛籠、背負子など「昔ばなしと民具」展 [ 文化・歴史 ] 2014年07月04日市美展2014の作品募集要項 大石神社薪能、1日から前売り開始 色絵の美、絵付師・稲田芳雲展 [ 文化・歴史 ] 2014年06月26日「絵画を楽しむ会」のギャラリー展 [ 文化・歴史 ] 2014年06月23日豊かな実り願って早乙女がお田植え [ 文化・歴史 ] 2014年06月22日コンセル・ヌーボ第31回定演 美術工芸作家ら多彩にグループ展 [ 文化・歴史 ] 2014年06月17日
コメントを書く