「陽はまた昇る募金」で炊き出し支援
2011年06月11日
被災者を元気づけた炊き出し支援
支援隊は坂越の飲食店経営、嘉陽田征信さん(47)ら調理師を中心とする8人。4月にも2度、同市内の各避難所で炊き出しを行った。前回までと同様、生まれ育った宮城のために救援活動を続けている加藤久さん(55)=元サッカー日本代表主将=が集めた情報に基づき、支援が手薄とみられる避難所をピックアップ。食材、物資、機材を積んだマイクロバスと冷蔵車で乗り込んだ。
初日に訪れたのは「北上子育てセンター」(同市北上町十三浜)。浜伝いに点在する13集落のうち7集落の住民が身を寄せる。計約280戸の約6割にあたる約170戸が津波で流され、地区外に唯一つながる国道が復旧するまでは約9キロ離れた物資供給拠点までかごを担いで山道を往復したという。
東北も6月に入って気温が上昇。支援隊は、昼は「さっぱりした食べやすいメニューを」とタコ、イカ、焼きアナゴなど具だくさんの海鮮ちらし寿司と五目そうめんを調理。夕食は「スタミナと元気をつけて」と炊きたてご飯と野菜サラダに炭火焼きハラミを乗せた焼肉定食、よく冷えた缶ビールを振る舞った。食後のデザートはアイスクリーム。「本部長」として避難所を取りまとめる自治会長の鈴木学さん(66)は「こんなによくしてもらって。どうやってお返ししたらいいか。赤穂のみなさん、本当にありがとう」と片付けを終えて去る支援隊を見えなくなるまで見送った。
翌日は北上町「にっこりサンパーク」、最終日は河北町総合センターへ。3日間で計1000食と夏物衣料約1100点などを提供した。嘉陽田さんは「野菜を無償提供してくれた農家の方、収穫を手伝ってくれた関西福祉大の学生さん、知り合いや取引先の協力のおかげで活動できた」と感謝。「一番よくないのは、助けを必要としている人がいるにもかかわらず、震災が風化していくこと。そうならないように伝えていくことも現地へ行かせてもらった自分の役割と思う」と話している。
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掲載紙面(PDF):
2011年6月11日(1947号) 1面 (7,736,668byte)
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