第三者委の人選、“密室”で承諾
2012年09月01日
第三者委員の人選について説明も報告もなかった第8回赤穂市教育委員会。予定者リストはこの会議が始まる前に別室で配られた
教育委員の一人であり、事務局を統括する立場でもある室井久和教育長は「人選については他の教育委員にも承諾を得た」としているが、第三者委員の基本的な経歴すら把握していない教育委員も。かねてより問題となっている“教育委員会の形骸化”を如実にさらけ出している。
関係者らの話によると、第8回定例会があった8月23日、開会の15分ほど前に定例会が行われる会議室とは別の部屋に教育委員が集まり、第三者委員の予定者5人の名前と役職を一覧にしたA4判1枚の資料が回った。経歴書やプロフィールなどは配られず、室井教育長が「学校組織マネジメントの専門家」「ネットいじめ問題に精通」などと口頭で説明したという。
教育委員が予定者リストを目にしたのはこの時が初めてだったが、その後、始まった定例会では人選についての説明や報告は一切なく、委員からの質問もゼロ。そして翌日、市議会への報告を経て報道発表された。
人選の資料がすでにまとまっていたにも関わらず、定例会のテーブルに上げなかったことについて、事務局は「教育長から指示があった」と弁明。室井教育長は本紙取材に「まだ議会への報告が済んでおらず、また、第三者委員への正式な委嘱も行っていない段階で人選が表に出るのはよくない」と指示の理由を語った。しかし、翌日に報道発表された時点でも第三者委員への委嘱状は未交付(9月2日に交付予定)で、室井教育長が語った「理由」は言い逃れに過ぎなかった。
また、室井教育長は「委員会だけが報告の場ではない。どういう方々に第三者委員をお願いするのか、事前に電話で説明して各教育委員のみなさんには理解してもらっている」と強調したが、例えば弁護士の委員について言えば、法曹としての経験年数、専門分野について把握している教育委員は本紙が取材した中にはいなかった。男性か女性かすらも「わからない」と言うほどで、「理解」には程遠い状態であることが明らかになった。
さらに、第三者委員会の設置手続きにも不手際感が否めない。平井正彦教育次長は「7月19日の市教委臨時会で第三者委員会の設置を決定したはず。そうでなければ、勝手に設置することはできない」との見解を示したが、会議を管轄する総務課は「7月19日の会合は、非公式に情報提供と意見交換を行った場に過ぎず、規則に基づいた臨時会ではない。今のところ、議事録も作るつもりはない」と正式な会議でなかったことを認めた。両方の話を総合すれば、必要な手続きを踏まないまま、要綱や人選、報酬規定の決定が“勝手に”進むという異常事態となっている。
一連の過程について、平井教育次長は「7月19日はマスコミ対応などに追われ、私自身は会議に出席していなかった」とし、「市民に対して過程を説明できるように、7月24日の定例会で第三者委員会の設置について正式に議決すればよかった」と反省の弁を述べた。しかし、教育委員長の山本千代氏は「私自身は問題なかったと思っている。他の委員のみなさんにも聞いてみたい」。室井教育長は「一連の手続きに、まったく問題点も矛盾点もない」と言い切っており、内部の認識や解釈がちぐはぐなまま、初回の第三者委員会を迎えようとしている。
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掲載紙面(PDF):
2012年9月1日(2004号) 1面 (10,575,028byte)
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コメント
×不的確
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投稿:誤字 2012年09月01日0 0
投稿:外海 2012年09月01日http://www.ako-minpo.jp/news/6805.html#commentstart
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投稿:放火犯 2012年09月01日0 0
投稿:ねこ 2012年09月01日0 0
投稿:お疲れ様でした 2012年09月01日0 0
投稿:どうでもよい 2012年09月01日コメントを書く