唐船軟弱化「河川から土砂堆積」
2012年12月25日
軟弱化の原因について協議した唐船海岸ぬかるみ対策検討委員会
検討委はこの仮説を前提とし、追加調査と暫定対策を並行して進める方針。県は25年夏の海水浴場再開を目指している。
事務局の説明によると、9月以降に実施した海底地形、潮流速、水質など21種類の調査数値に平成元年以降の気象データを加味。大雨による千種川水位の上昇と強い南風の組み合わせが繰り返し起こった直近10年ほどでぬかるみが顕著になった点に着目し、「平成23年9月の台風で干潟に堆積した泥が、昨年4月の低気圧波浪で大量に海岸に押し寄せた可能性がある」と推定した。
しかし、今回の調査期間中には大規模な出水がなく、実測データでの検証は出来ていないため、検討委は「追加調査・計算によりメカニズムを明らかにしつつ、同時に来年度に向けた対策検討を進めていく」との方向性で一致した。
「発生原因の手がかりはつかめたが、まだ確証は得られていない」と青木伸一委員長=大阪大学大学院教授=。暫定対策については「大きく地形を変えるとメカニズムの解明自体が出来なくなってしまう場合もある。環境面への配慮も必要」との見解を語った。
調査結果によると、ぬかるみは千種川河口部から唐船海岸の東砂防堤にかけて点在。12月5日に続いて17日にも行われた歩行調査では、表面積の合計は約8800平方メートル、土量は約1300立方メートルであることがわかった。1回目調査との比較では表面積は微減、土量は3割以上減少。分布位置が移動していることも確認されたという。
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