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関福大・加藤明先生の「応援します!かしこい子育て・教育・介護」【第2回】

 2015年01月31日 
【心がなくなっていませんか】
 「忙しい」とは、「心」が「亡」くなること。だから忙しいときは、忘れ物をしたり、思わぬ失敗をしたり、ついまわりにきつく当たったり、自分らしくないことをしてしまいがちです。子どもの宿題や私たちの仕事も然りです。30分あればできることは、30分あるからといってできるものではありません。前後にもう少し時間が必要です。
 机の前に座り、さて今日やらねばならないことは何だったかな、と気持ちを落ち着けて確かめながら取りかかる余裕があれば、思った以上に早くできてしまうものです。いやいや取り組んでいると、なかなか終わらない。時間を長く感じるか、短く感じるかは、心のもち方次第なんです。
 以前に勤めていた大学で、理事長だったシスターが新入生を前に、こう問いかけられました。
 「私は今朝静岡の修道院から来て、今あなた方にお話をしていますが、今まさに、私の身も心もここにあります。あなた方の身や心は、ここにありますか」
 これは、学生たちだけでなく、まわりにいた教員も、はっとさせられました。心ここにあらずで私も別のことを考えながらぼやっと聞いていましたし、なかには“内職”をしている教員もいたからです。心が亡くなっていたのですね。恥ずかしいことです。人の話を聞くというのは、耳だけを働かせるのではなく、心も真正面を向いて聞くこと。
 子どもの話を聞くときも同様です。ちゃんと真正面から聞いて受け止めてやること。「なるほど」と、うなずくだけでもいいのです。話を聞くときはこのように聞くのですよ、お手本を日頃から見せてあげましょう。(関西福祉大学・学長)
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掲載紙面(PDF):
2015年1月31日(2121号) 4面 (11,079,415byte)
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