2015年06月06日
趣味の木彫でフクロウを作り続けている三田勝也さん
◆三田勝也さん(71)=中山=
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初めて木彫りをしたのは11年前です。テレビでフクロウの木彫りをしてる人を観て、退職後で時間もあるし、ちょっとやってみようかなと。畑仕事の合間に農業倉庫の中で作業して、1カ月くらいで完成しました。作ってる途中で子どもフクロウも彫ってみたらどうだろうと思い付いて、親フクロウの足元にこさえたら、これがいい具合で。それから作り続けてます。
家にある作品は60点くらい。欲しい言うてくれた人にあげたんもあるから、これまで100点くらい作ったかな。孫は私のフクロウを気に入ってくれて、倉庫に「ホウホウハウス」と名前を付けてくれました。材料は友だちがくれるスギやヒノキの間伐材が多いです。千種川で見つけた流木を使ったこともあります。散歩中に木を見ては作品にできないか考えてます。
手のひらサイズから高さ50センチほどのものまで大きさはいろいろ。丸太から彫り出すときはチェーンソーを使います。木目を見て年輪が大きくて割れにくい方を胴体に、くちばしの方向を決めて。樹にとまってるところにしたり、2匹が向かい合ってるようにしたり。同じように作ろうとしても、同じのは二度と作れないとこが不思議ですし、面白い。
畑仕事が終わって、冬は2時間、夏は5時間くらい狭い倉庫にこもります。作ってるときは、ほかの何も考えへんくらい、没頭します。なんでフクロウばかりかと言われると難しいけど、それ以外を作りたいと思うことがなくて自然とこうなったんかな。
一番気を遣うのは、最後に目の回りを彫るとき。落ち窪んだ目を上手に作ると、らしさが出る。それから、胸のふかふかした羽も丁寧に削り出します。岡山で木彫師の方が実演販売しているのを時々見に行って、作品も購入して研究しています。
去年の正月、畑のブドウの木に本物のフクロウがやって来たんです。背は30センチくらい。けがはない様子だったけど羽を休めてたんかな。3日間いました。野生のを見たんは初めて。きれいでかわいくて。自分のところに来てくれて本当にうれしかった。なんて言うのか、運命のようなものを感じました。あの子を作りたいと思いますが、再現するにはまだまだ腕が足りないです。写真を撮っておいたので、いつかあの子を作るのが目標ですね。
[ 私のこだわり ]
掲載紙面(PDF):
2015年6月6日(2138号)3面 (13,655,056byte)
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