2015年08月22日
左側にある山上一帯が大規模太陽光発電施設の予定地。急傾斜地の直下に民家が建ち並んでいる
瀬戸内海国立公園に含まれる御崎の風致地区で大阪の民間企業が進めようとしている大規模太陽光発電施設の建設計画で、予定地の一部が「山腹崩壊危険地区」に重複し、「土砂災害警戒区域」にも隣接していることがわかった。
事業者側はこの事実を把握しておらず、地元住民は「あまりにも計画がずさん。白紙撤回すべきだ」と反発を強めている。
事業主のサンエース(大阪府枚方市)は19日、元沖町集会所で亀井義明・御崎地区連合自治会をはじめ地元自治会長と市議の10人と懇談。施工業者と協力会社を加えた計4社6人で出席した。
席上、住民サイドから赤穂市のハザードマップを提示。予定地の一部が「山腹崩壊危険地区」に重複し、「土砂災害警戒区域」にも隣接している点を指摘したところ、施工業者が「申し訳ないが知らなかった」と認め、残りの3社も事実を把握していなかった。
山腹崩壊危険地区は、林野庁が定める調査要領に基づいて都道府県が調査公表するもの。「山腹崩壊により人家や公共施設等に被害を与えるおそれがある地区」とされ、昨年8月に広島市内で74人の犠牲者を出した豪雨災害の被災地にも山腹崩壊危険地区の判定を受けていたエリアがあった。ただし、「開発規制はなく、地区内に工作物を設ける場合の許可申請や届出も不要」(兵庫県治山課)という。
懇談会では、施設建設に伴って風水害のリスクが高まるのではないかとの懸念が噴出した。事業者側は「基本的には地山をいじらず、建設行為を伴わないため、調整池の設置は必要ないということになっている。伐採をしながら地形を調査して排水工を行う」と説明したが、住民からは「相当数の樹木を抜くことになり、地形が変わる。水の流れも変わる恐れがある」と不安を募らせ、「住民にとって、これほどひどい計画はない」「白紙撤回していただきたい」などと批判の声が相次いだ。亀井会長は「排水計画をはじめ、住民が理解できる資料の提示がなければ次の懇談には応じられない」と突き放した。
予定地の直下に位置する御崎4区自治会の塩崎直人会長の話では、予定地に隣接する急斜面は過去に大雨で家屋浸水や土砂崩れを起こしたことがあるといい、「自然エネルギー開発の必要性は理解できるが、自然破壊を行ってまでも実施する意義は理解しかねる。ずさんな工事計画と、それを許可した行政に強い憤りを覚える」とコメント。亀井会長は「地元の意向を県と市に伝え、問題解決を図りたい」と話している。
サンエースの谷岡倫常社長は赤穂民報の取材に、「土地の調査については施工業者に任せていた。安全面をしっかり検討して資料を整え、地元のみなさんの理解を得られるようにしていきたい。事業の撤退は考えていない」と話した。
[ 社会 ]
関連サイト:
掲載紙面(PDF):
2015年8月22日(2149号)1面 (11,120,927byte)
コメント
山人様へ、あなたの提案内容が議題として取り扱われるに足りぬものか、プレゼンが失敗だったか、いずれにせよご自身のお力不足でしょう。相手にされぬから市政に期待しない、民草は黙殺されるなどの御発言から察するに、むしろあなたのお考えのほうが偏向しているようにうかがえますが。
投稿:赤穂市民 2015年08月25日
ブチインテリさんへ
流石に、何も調べずに買う土地は怖いとしか言いようがない。
県外に嫁ぎ、そこで中古物件買いましたが、水害対策がなされているか、ハザードマップに危険地区として載っているか、調べましたよ。
それを考えて無くて買ったとしても、調べて買ったとしても、買った本人に責任がいきますよ。
太陽光発電は良いとしても、それによる環境破壊には困ると感じています。
ただ、最近では里山と言えないほど管理されていない山が多いです。
木は多すぎても、少なすぎても土砂崩れを起こす要因になります。
その一点で見ると、確かに太陽光発電はいいかもしれませんが、どんなに土が悪い土地であれ先にすんでいる人が納得いく形でなければならない。
と、私は思います。
投稿:もも 2015年08月25日
赤穂市民さんへ
かつて別件で市議会の方等へ御連絡差し上げた事が有りますが結果的には議題にも上がりませんでした。なので正直な話、そんなに行政に対して期待している訳では有りません。民草は黙殺されると心得ているつもりです。ただ地域住民が反対している事を無理から進める事に関して疑問に思う訳です。ソーラー計画に対しても反対している訳でなく、もっと適した場所を探して欲しい…と考える訳です。
本当の赤穂市民ならば誰もが考える事と思いますが『赤穂市民』さんは、本当に『赤穂市民』なのでしょうか?何を不快に思っているのか?何にイラ付いているのか意味不明ですね?また一体誰の味方なのでしょうか?
内容的に考えると…陳情請願システムを我々が知らないと考えており(プライドが高く他者を見下している?)また他の掲示板で何らかを批判している人々と勘違いしており(私は書いてないです)その矛先を向けており、市政批判への誘導をしている…と一方的に我々が悪者…と印象付けようと考えておられる様で…。
何か物事が思う様に行かず1人で怒っている様な雰囲気ですね。
投稿:山人 2015年08月23日
ソーラー計画反対から市政批判への誘導?毎回どの掲示板もこのパターンですね。市役所に市民対話課という部署があるので、そこで意見されるのが現実的でしょう。それとも市民対話課には足を運ぶ気もないのに、掲示板では弁慶ですか?各市会議員さんも随時、陳情受け付けてくれますよ。赤穂市政にご意見ある方々。
投稿:赤穂市民 2015年08月23日
山人さん、山火事があった山も土砂災害警戒区域に指定されており、開発行為には不適だと思います。
投稿:木津人 2015年08月23日
あえて田舎のウリである自然を破壊せずとも赤穂には、少し前にBBQで山火事となった禿山があるので赤穂の行政には、業者にそちらへ行って貰う様に調整してもらいたいと思います。(出来れば)
ちなみに御崎〜坂越間の山を開発するならば『赤穂市営』で展望台公園&広場(いざという時の防災拠点も兼ねる)、アスレチック、キャンプ施設、ツリーハウス、バードウォッチング、トレッキングコース、エアガンバイアスロンコース…等々の自然と共存が出来て市民や観光客が楽しめる『山』にしてもらいたい…と思います。メガソーラーは、あえて山を切り開いて作らなくても良いと思います。ましてや赤穂市が考えて計画した事でも無いようですし…。
明石市長さんには、もっと赤穂市の魅力を引き出せる政策を立案、実行して頂きたいもの…と思います。
投稿:山人 2015年08月23日
リスクの多い土地は地価が安くなる。特に自然環境によるリスクにはきりが無い。手に入れたものにだけ責任を押しつけるのもおかしい。家を建てる土地を求める庶民としては、何かを求めれば、何かに目をつぶらなければならない。少しでも安い土地をと思うのも非難できないのでは。
被災が自業自得との発言は受け入れることが出来ない。津波のリスクがあった三陸海岸、土石流のリスクがささやかれていた広島安佐地区など、想定以上の自然災害によって被害を受けた方々に向かって言える言葉とは思えない。所詮人ごとなのか。これが転入を促進しようとしている立場をとる赤穂市の住民の本音なのだろうか。
第一、この記事はリスクを増やす可能性のある開発業者に疑問を投げかけているので....。
投稿:言い過ぎ? 2015年08月23日
ブチ・インテリさん 写真の住宅地は、ここ10数年でできた新興住宅地です(山際を除く)。自分が一生を過ごす家を建てるのに、まさか何も調べない訳がないでしょう。
今回の予定地の何割かは、40年ほど前から度々整備されております。運搬に使える道がある分、工事がしやすいのかも知れません。
赤穂市政・行政の不満は、本当におっしゃる通りだと思います。
投稿:地球があぶない 2015年08月22日
私は、太陽光発電に賛成論者。だからといって、どこにでも、何でもかんでも設置していいとは思わない。条件(自然環境、日照条件、住環境、将来環境等々)に十分配慮が必要。特に今回の場合、「地球が危ない」さんのコメントは、設置場所周辺の住民に対し、何の説得力も持たないし、大変失礼な言説です。「建設する・・・相当危険・・・危険は承知・・・」等々おっしゃっていますが、そこに家を建て、住まいしてきた一軒一軒の事情があり、初めから誰が危険を承知で家を建てますか。
近年(20〜30年)、60?/時超えの突発的な大雨が、普通に起きる状況の下で住環境の危険性の見直しをしてきているわけでしょ。他人事ではない。これまで不幸にも災害に遭われた方々の痛みは、明日は我が身かもしれない。我々は学習したはずなのだから、その上で危険回避のために少なくとも新たなリスクは背負い込まない。今、住まいしている条件の下で最悪を想起して最善を尽くす。
まだまだ大切なことがあるかもしれないが、我が事としてみんなで考えてみたい。
それにしても、赤穂市行政は、自然開発に関して安易過ぎる。一方で赤穂の自然環境を市の財産としながらも、一方で無防備と思える開発許可をだしたり、土砂災害危険区域・土砂災害特別警戒指定区域に無頓着(と思える)だったりと
赤穂市政・行政の姿がよく分からない。ほんまに市民のための仕事をしてるのか?
投稿:ブチ・インテリ 2015年08月22日
高山の南側全面つかってメガソーラー設置したら良いのに
投稿:太陽光発電 2015年08月22日
竹林さま。 この写真の住宅一帯は元々住むに適さず、田んぼと畑でした。建設をする・しない以前に 相当危険な土地です。当然、皆さん危険は承知で住んでらっしゃると思います。 広島の例を出されますが「自然にしていれば、この先も土砂災害が起こらない」訳ではありません。 既に、地盤を弱くする「竹林」が広がりつつあります。 まったく管理されていない荒れた山よりも、開発管理された山の方が災害リスクも減り、万が一の責任先がはっきりするかと存じます。 また、この脇の道路は近年豊かな自然を切り開き、景観・環境を破壊して作られました。現在、その水害対策中です。
投稿:地球が危ない 2015年08月22日
私も当然ながら自然エネルギーの普及には賛成ですが、地域の同意なしに勝手に進めると反対運動を招きかえって普及の妨げになります。事業者には地域と向き合いじっくりと説明することが求められます。
投稿:松竹梅 2015年08月22日
地球が危ないさんへ 石炭火力化は当然反対です。だからといって野放図に太陽光パネルを設置okとはいきません。計画地は、里山のすそが人口密集地。しかもぐるりと急傾斜危険地域に指定され、山腹崩壊地帯もあります。広島の土石流災害を思い起こしてください。もし、根伐採などで地盤がゆるみ、土砂災害がふもとを襲ったらだれが責任をとってくれるのですか。人命が失われたら、どう償うのでしょうか。 竹林
投稿:竹林 2015年08月22日
ちゃんと管理されれますか?地元でなく大阪の企業でしょ トンネル近くの崩落のようにならない事を祈ります。
投稿:bouty 2015年08月22日
地球温暖化、海面上昇、異常気象、地球が危ない!
関西電力(赤穂)の石炭への燃料変更を比べれば些細な事ではないでしょうか?こちらを優先して、燃料変更撤回を求めましょう!むしろ、赤穂に余る山・田畑全てに太陽光パネルを設置すべきだと考えます。どうせ牧草地だったり管理されていない人に害する山々なのですから。
投稿:地球が危ない 2015年08月22日
※コメントは投稿内容を赤穂民報社において確認の上、表示します。
投稿ルールを遵守できる方のみご投稿ください。