2015年11月20日
古民具再生工芸展を開いた妻木敏保さん
使われなくなった寿司桶や洗濯板などの木製品を棚やオブジェといった別の用具にリメイクした「古民具再生工芸展」が加里屋の赤穂市立民俗資料館(前田元秀館長)で開かれている。
姫路市飾磨区中島の元会社員、妻木敏保さん(72)が加工した約100点。背負子にがんじきを組み合わせた飾り棚、木桶をフレームに再利用した掛け時計、やぐらごたつに電球を入れたランプなどが並ぶ。
日曜大工が得意の妻木さん。長く大切に使われてきた生活道具が不要になって捨てられていく様子に心を痛め、「もう一度、よみがえらせたい」と思い立ち、定年退職後の余暇を利用して作品づくりに取り組んできた。
骨董品店や知人から使われなくなった木製生活用具を集め、特徴や形状を観察してアイデアを絞る。「できるだけ元の姿を生かす」ように心掛け、いずれの作品も使い込まれた道具の味わいを感じさせる。
「使い始めたときから古くなっていく化学製品とは異なり、木製品は使えば使うほど値打ちが出る」と妻木さん。亡き母の形見の化粧箱を再生した引き出し棚も出品し、「どれも思い入れのある作品ばかり。木の良さを見直してもらえれば」と話している。
「生き様の木目が活きる古タンス」「洗濯板むかし話を洗い出し」など妻木さん自作の川柳も展示している。11月29日(日)まで午前9時〜午後5時(入館は4時半まで)。水曜休館。大人100円、小・中学生50円。Tel42・1361。
[ 文化・歴史 ]
掲載紙面(PDF):
2015年11月21日(2162号)3面 (10,158,961byte)
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