2015年12月01日
高野の安定型産廃最終処分場設置許可を県へ申請中の事業者と赤穂市との間で結ばれようとしている「環境保全協定」の案文が30日、明らかになった。
処分地の周辺環境が変化したり、水質検査結果が管理目標値を超えたりした事態に操業を停止する条項はあるものの、事態解消の期限設定や協定違反の罰則はなく、事業者と案文を協議した市産業廃棄物担当は「業者との信頼関係に基づく協定」と話している。
協定案は、市に立入検査の権限を認め、▽処分地の周辺環境に変化が発生、または発生の恐れ▽許可以外の廃棄物の持ち込み▽水質検査結果が管理目標値を超えている-といった事態について、「事業者に原因があると確認された場合には直ちに操業を停止する」と規定。事態を解消した上で操業を再開するルールとしている。
水質検査は、管理目標値を設定した上で「環境計量証明事業登録業者」が行い、市は事業者から報告を受けた検査結果を公表できる。事業完了後も年1回の水質検査を5年間続け、管理目標値を超えた場合は「速やかに搬入産業廃棄物を全量除去」するよう規定している。
事業完了後は廃棄物を埋め立てた裸地部分を計画に基づいて山林に復旧する。「市のほか第三者に損害を与えた場合には、誠意をもってその損害を賠償すること」との条項はあるが、具体的な罰則はない。疑義が生じれば、「その都度、市と事業者が協議する」としている。
環境保全協定の締結は、廃棄物処理法に基づく県からの意見照会に対し、昨年12月に豆田正明市長(当時)が県へ事業者の指導を要望した11項目の一つ。同課によれば、市が作成した素案をベースに今年6月から8月にかけて事業者と協議を重ね、協定案を策定したという。
市当局は30日の民生生活常任委員会協議会で、事業者が県へ提出した「維持管理計画書」とともに協定案を議会へ説明した。委員からは水質検査の回数増や廃棄物搬入時の展開検査の徹底を求める意見があり、市は「事業者と協議した上で協約締結前に結果を議会に報告したい」(同担当)と話している。
[ 社会 ]
掲載紙面(PDF):
2015年12月5日(2164号)1面 (16,296,235byte)
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