2015年12月05日
苦労して収穫にこぎつけたネリカ米
雨季の間、没頭した稲作が、やっと落ち着きました。日本は機械がありますが、こちらは土地の耕作と雑草処理は家畜の力を借りて行い、細かい雑草の処理、収穫や収穫後の脱穀や精米はすべて手作業。本当に大変でした。
栽培した「ネリカ米」は乾燥した厳しい条件下でも栽培できるお米としてアフリカで普及が進む品種です。日本の水稲は収穫まで約5カ月かかるのが一般的ですが、約3カ月で実りました。また、今年は例年より長く11月初旬まで雨が続いたおかげで、8月下旬にまいたものも稲穂をつけました。
約6・5キロの種もみを20農家で分けて作付けし、7農家で少なくとも計182キロと250グラムを収穫できました。一般的には、種もみ1キロにつき50キロ収穫できると言われていますから、数字だけ見れば物足りない結果かも知れません。
しかし、除草が追いつかない、家畜による被害、肥料被害、土の病気、種を渡したけど蒔いてもらえなかったなど、さまざまな理由や原因から貴重なデータや教訓を得ることができました。それに、普段は「超」がつくほどの古米しか食べていないンドファンの人たちは、甘くておいしい新米の味に感動し、「おいしかった。ありがとう。来年はもっと広い土地でがんばるよ」と言ってくれたのです。
「来年はお米を作りたいから種をくれ」と新規参入を希望する農家も多く、来年の雨季に向けて準備を怠らないようにしたいと思います。
[ チコのセネガル通信 ]
掲載紙面(PDF):
2015年12月5日(2164号)4面 (16,296,235byte)
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