2015年12月05日
展覧会で公開される『プンク・マインチャ』の原画の一部=秋野和子さん提供
上郡町ゆかりの画家、秋野亥左牟さん(1935-2011)の展覧会「原画でみる アキノイサム の世界」が12月11日(金)から上郡町生涯学習支援センターで開かれる。
京都生まれの秋野さんは東京藝術大学彫刻科を中退した後、27歳で日本を飛び出し、インド、ネパールに6年間滞在したのをはじめ、地球の上を旅してきた。沖縄・八重山諸島の小浜島で16年間漁師をしながら絵を描き、沖縄やそれまで旅した土地で出会った話を絵本にした。
「雑木林の美しい山々に囲まれた自然」にひかれて2006年に上郡町八保に移り住み、4年前に76歳で亡くなる数日前まで、最後の絵本となった『神々の母に捧げる詩』を自宅アトリエで描き続けた。
今展では、10冊の絵本を生み出した秋野さんの原点ともいえる最初の絵本『プンク・マインチャ』(1968年、福音館書店)の原画全14点を展示する。ネパール滞在中にネワール族の老婆から聴いた民話をもとに現地で描いた作品で、にかわと岩絵の具を使う日本画の手法でネワール文化の世界観を独特のタッチで表現。第2回世界絵本原画展で金牌を受賞した。
妻・和子さん(70)は「人間は支配する者としてでなく、関係し、つながるいのちの輪の一部。かつて私たち人間は、人間以外とも話すことができました。豊かで健康な自然があったからこそです。本当に聞こえてくるのです。イサムの絵本もこうして生まれました」と話す。
東備西播定住自立圏図書館読書活動推進事業として開催。17日(木)まで中ホールで午前9時〜午後5時。月曜休館。Tel52・1125(上郡町立図書館)。
[ 文化・歴史 ]
掲載紙面(PDF):
2015年12月5日(2164号)4面 (16,296,235byte)
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