2016年03月12日
昨年11月に開催された「第5回赤穂シティマラソン大会」の参加者を対象にした調査報告書がこのほどまとまり、同大会の経済波及効果は約2億2000万円と推計された。市は「事業予算3400万円の約6・5倍、市支出1800万円の約12倍の効果が表れた」としている。
経済波及効果の数値は、流通科学大学人間社会学部スポーツマーケティング研究室が観光庁の測定モデルを用いて算出した。大会当日にランナーから回収したアンケート(有効回答231票)を基に参加者3579人(主催者発表)の内訳を「日帰り旅行者」約82%、「宿泊旅行者」約18%と推計。4000人(同)の沿道応援者は「日帰り旅行者」とみなし、宿泊費、飲食費、交通費などを積算した。
その結果、「直接効果」は9890万円、「間接波及効果」は1次と2次を合わせて1億2120万円と算出。国、県、市を合わせた税収効果は約1470万円と測定された。一人当たりの平均支出額は8586円で、内訳は交通費・旅行代金5741円、飲食代・おみやげ代・観光2844円だった。
また、同大会に関する意識調査では96・6%が「総じて満足」と好意的で、94・3%が「再び参加するだろう」と回答したことがわかった。
調査を監修した同研究室の山口志郎講師(30)は「経済波及効果をより高めるためには、県外からの参加者(スポーツツーリスト)をいかに増やすかが重要」とした上で、「塩やカキといった特産物を活かした前夜祭やゴールイベント、赤穂の歴史を学べるような付帯行事を設けるなどで他のマラソンイベントと差別化を図った戦略を打ち出す必要がある」と提言している。
[ 商業・経済 ]
掲載紙面(PDF):
2016年3月12日(2177号)1面 (6,015,169byte)
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