2016年10月22日
赤穂港に漂う泡=10月17日午後
加里屋の赤穂港(新港)で海面に大量の泡がたまっています。日によって量が変わりますが、もう何年も前からです。おそらく工場からの排水が原因ではないかと思うのですが、調べてもらえないでしょうか。(市内の男性)
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男性から連絡を受けた10月17日、本紙が現地へ見に行くと、茶色がかった白い泡が多数海面に漂っていた。港湾の北寄りは風で吹き寄せられた泡で覆われ、水面がまったく見えない状態。泡の動きをたどると、港の西側の岸壁にある排水口にたどりついた。
赤穂市環境課によると、泡を含んだ水を排出しているのは日本海水赤穂工場の排水口で、市が同社との環境保全協定に基づき年4回実施している水質検査では「異常はみられない」という。泡がいつから排出されているかは「記録がない」とのことではっきりしないが、「あそこは泡があるのが普通と思っていた」というから、相当以前から常態化していたと思われる。
この件について、日本海水赤穂工場に取材した。同社によれば、排水口から放流しているのは塩分抽出後の海水。「もともと原水に含まれていた土や砂、プランクトンなどの不純物」が水流によって泡立ち、大雨で川から土砂が海に流れた後に特に目立つという。
また、海水温の高低によって使い分ける2種類の排水ルートのうち、高水温用の方が泡立ちやすい構造のため夏場に増える傾向があるという。赤穂民報が取材を申し入れた翌日から同工場が低水温用ルートに切り替えたところ、泡の量は劇的に減少した。
市環境課は「もともと海にあったものを、再び海に返しているだけなので問題ない」との回答。同社は「泡はいわゆる『波の花』と同じようなもので環境への影響はありませんが、低減するための対策を講じたい」と話している。
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赤穂民報より
日本海水赤穂工場には今年6月、兵庫県知事から「兵庫県環境にやさしい事業者賞」が贈られました。また、同社は環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001を取得しています。「環境への影響はありません」とのことですが、景観にも配慮した環境対策が求められるのではないでしょうか。
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掲載紙面(PDF):
2016年10月22日(2203号)3面 (11,092,257byte)
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