2016年11月23日
イノシシによって墓石が倒されるなどの被害が出た黒崎墓所
江戸時代、赤穂近海を航海中に亡くなった船乗りや旅人が埋葬されている坂越の黒崎墓所がイノシシに荒らされ、墓石が壊れるなどの被害が発生し、市教委が復旧を検討している。
黒崎墓所は坂越湾の西先端にあり、宝永7年(1710)から嘉永元年(1840)にかけて築かれた。北は秋田から南は種子島まで29カ国130人が葬られている。一時期荒廃したが、昭和55年に市と地元住民が再整備。平成4年に兵庫県史跡に指定された。
被害がわかったのは昨年11月。毎月1回、墓所の清掃奉仕を行っている「坂越歴史研究会」(篠原明会長)が見つけた。市教委が確認したところ、墓石12基が倒れ、そのうち5基が割れていた。墓所の石垣も崩れ、足跡や痕跡から「イノシシの仕業とみて間違いない」という。
市教委は壊れた墓石を修復し、写真や記録を基に元の位置に復旧する計画。イノシシの侵入を防ごうとフェンスを設置する予定で、被害の再発防止を図る。篠原会長は「今のままでは埋葬されている方々にしのびない。できるだけ早く直してもらえたらありがたい」と早期復旧を願っている。
[ 文化・歴史 ]
掲載紙面(PDF):
2016年11月26日(2208号)3面 (11,031,633byte)
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