2017年03月27日
地元の子どもたちも参加して行われた千種川水生生物調査=昨年9月
千種川の上流から河口、支流の52地点で水生生物の分布状況を調べた結果をまとめた冊子『千種川の生態』第44集(A4判32ページ)がこのほど刊行され、水質が「きれい」と判定されたのは前年の24地点から16地点に減少した。
調査は流域のライオンズクラブによって昭和48年から年1回続けられている。昨年は9月から10月にかけて地元の小・中・高校生たちを含む延べ374人が宍粟、佐用、上郡、赤穂、相生の5市町計52地点で実施。採集した水生生物の種類によって▽I(きれい)▽II(少しきたない)▽III(きたない)▽IV(大変きたない)の4段階で水質を判定した。
Iと判定されたのは16地点で、残り36地点はII。III、IVはなかった。赤穂市内では高雄、大津川など6カ所で調査。有年橋ではきれいな水に住むヒラタカゲロウが多く見つかり、水質階級は前年の「II」から「I〜II」にやや改善。反対に北畠は前年の「I」から「II」へ、下高野は「I〜II」から「II」へ下がった。
結果を考察した千種川圏域清流づくり委員会の横山正さんは「全体的に水質が悪化している傾向を示しているといえる。この傾向が続くのか、一時的なものなのか、今後も調査を継続して原因を探っていくことが大切」としている。
[ 社会 ]
掲載紙面(PDF):
2017年4月1日(2226号)3面 (12,464,295byte)
コメント
今年は実施45年目を迎えます。これまでにこの水質調査に関わったことのある人数は計算したことがありませんが、単純に考えてものべ1万人近くになると思います。私も高校生の時にこの調査をまとめた本に出会い、興味を持ったのがきっかけで、淡水魚研究の出来る大学に進み、今に至っています。
これだけ多くの住民が川の健康調査を続けている川は、国内で千種川が唯一だと思います。
今後も多くの方に命を支える水に興味を持ち、守っていっていただきたいと願っています。
投稿:横山正 2017年03月27日
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