2017年11月03日
物事ははじめが肝心ですが、何かを始めても、やっている途中で予想外のいろいろな問題が起きるのが世の中の常です。
そこでそれを調整、解決し、コントロールしながら、めざした目標を実現する、つまり、「終わりよければすべてよし」にもっていくわけです。このような成果を確かめながらの臨機応変な対応能力、機に臨んで変に応じる、柔らかい処理能力、問題解決力こそが、これからの社会で求められるマネジメント力なのです。
例えば、そろそろテストだからと、テストまでの準備の計画を立てたとします。「始めよければ」で、このような計画を立てることは、テストに臨む構えとして大切なことです。でも計画にしたがってやっているうちに、今日はいつもより疲れているから今日の分は明日まとめてやった方がいいとか、思うようにはかどらなかったから明日もこの続きに少しかかりそう、といった予定外の事態が起こりがちです。
そこで当初の計画を臨機応変に修正し、改めてテストに向かって準備を進めます。ここで大切なことは、計画通りにいかないからとすぐにあきらめたり、パニックにならないこと、知恵を出して工夫しめざした目標の実現に向けて頑張ること、つまり「終わりよければすべてよし」と思い直して、今やらねばならないことに集中して頑張ることなのです。
「始末」という言葉がありますが、これは「けち」という意味ではなく、本来は始めに立てた予算を、終末に帳尻が合うよう上手に使っていくことなのです。例えば、月初めに立てた家計の予算を、上手にやりくりしながら、月末に「終わりよければ」で帳尻を合わせることができるようにする。途中で思わぬ出費が生じても、知恵を働かせて乗り切るわけです。
人生は、一回限りの問題解決の連続です。思うように進まないことも少なくありません。でも投げ出さないこと、うまくいかないからといって誰かのせいにしたり、世の中を斜めに見ないこと。終わりよければで問題解決の過程を楽しみながら、したたかにたくましく生きていくこと。求められるマネジメント力の本質は、このようにネガティブな感情に負けてしまいがちな自分の感情をコントロールし、マネジメントしていく力なのです。
ネガティブな感情をポジティブに変えるのは、私たち大人にもなかなか手強いことです。でも子育てのためなら、子どもと二人三脚ならできそうに思いませんか。思い立ったが吉日、さあ今日から始めましょう。(加藤明学長)
[ かしこい子育て ]
掲載紙面(PDF):
2017年11月3日(2252号)4面 (17,880,036byte)
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