2018年08月22日
ヨモギに寄生したハマウツボの標本化について橋本光政さん(左)から話を聞く子どもたち
絶滅危惧種の寄生植物、ハマウツボの希少な生息地として知られる高雄の千種川河川敷で、通常はカワラヨモギを宿主とするハマウツボがヨモギに寄生した株が見つかった。
兵庫県立人と自然の博物館元主任研究員の橋本光政さん(75)=姫路市=が標本を作製。橋本さんによると、ヨモギに寄生したハマウツボが見つかること自体が珍しく、標本化に成功した初めての事例となる可能性もあるという。
ヨモギに寄生したハマウツボが見つかったのは今年5月。高雄小学校児童や地域住民らがハマウツボの保全活動を続けている同校近くの河川敷で、植物全般に詳しい木村繁之さん(82)=南野中=と学校ボランティアの尼子公一さん(74)=高雄=、山下一之さん(72)=木津=の3人がヨモギの群生の中に生息しているハマウツボの株を発見した。連絡を受けた橋本さんが掘り起こして持ち帰り、複雑に絡み合った根を慎重にほぐしたところ、両方の株が一本の根でつながっていることが確認できた。
ハマウツボは海岸などの砂地に生える一年草。ヨモギ属に寄生することが知られているが、カワラヨモギ以外を宿主にした株は国内有数の植物標本保有数を誇る京都大学総合博物館にも収蔵されていないという。
橋本さんらは今回の大発見を高雄小児童にこのほど報告した。理科が大好きという6年生の守田音央君(11)は「他のヨモギの仲間にも寄生することがあるのか調べてみたい」と興味津々。木村さんは「子どもたちが関心をもってくれたならうれしい」と喜んだ。
[ 社会 ]
掲載紙面(PDF):
2018年8月25日(2290号)4面 (7,246,268byte)
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