2018年11月03日
今年四月に赴任致しました。児童教育学科の小川温子です。よろしくお願い致します。
子どもを取り巻く環境が大きく変りました。三〇年程前にテレビゲームが出現し、子どもの遊びの様子が「外」から「室内」へ変化しました。学校から帰宅すると、習い事へ行くことや公園ではボール遊びの禁止等、昔の子どもように活動することに自由がなく、制限がかかっています。「空間」「時間」「仲間」が奪われ、近頃では「手間」を加えて、「四間の減少」とも言われています。主体的に自分で様々なことをコントロールする機会も少なくなりました。
本来は、子ども時代に自由な時間があり、広々とした空間があれば子どもは生き生きと動き、走り、転げまわり、体を動かす楽しさを知りことができます。また、「ボール」があれば、投げる、つかむ、受ける楽しさがあり、さらに仲間が加わればルールが生まれ、楽しさが倍増します。「なわとび」でも同じことが言えます。縄1本で跳ぶ回数がどんどん増えるともっと練習したくなり、いろんな難しい跳び方にも挑戦します。仲間がいれば「大縄」をすることができ、たくさんの友達といろいろな跳び方を工夫して楽しめます。
運動や遊びには勝負がつきものです。勝つ喜び、負ける悔しさ、勝ったり、負けたり、競い合う楽しさは魅力があります。子どもの時代には勝ったときのうれしい気持ちとともに、負けた友達やチームへの優しい思いやりを学び、負けた悔しさが勝った者への「あこがれ」、次への挑戦のエネルギーとなり自分の力を伸ばします。「熱中・没頭すること」は将来のためにきわめて重要な体験を得ることになると思っています。
友達とともに一緒に活発に外で遊ぶことは、人生の中で大切な学びを生む時間だと考えています。子どもの成長には三つの「ぷり」が必要だと言います。(1)たべっぷり(2)遊びっぷり(3)付き合いっぷりです。その中でも子どもの「生きる力」が身に付くには、「遊びっぷり」は中核だと言われます。毎日の生活の中で、三つの「ぷり」が子どもの中で備わっているのか、一度見直してしてみるのもいいことかもしれませんね。そして、関わる大人は「未来の宝」である子どもへ温かい支援をしたいものです。(小川温子・教育学部児童教育学科准教授)
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次回は教育学部児童教育学科の木原加代子准教授です。お楽しみに。
[ かしこい子育て ]
掲載紙面(PDF):
2018年11月3日(2299号)4面 (10,127,746byte)
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