2019年03月02日
お坊さんの小屋には、話を聞くために百姓の人が、一人増え、二人増えと、どんどん増えていき、聞いてきた皆が皆、ほこほこした気持ちで帰っていったのです。
百姓の人々は、だれ言うとなく木や板を運んできて、小屋の周りに、一回り大きな小屋を作り始めました。お坊さんのそばに、囲炉裏を作り、食べ物を運んできてお坊さんのために食事を用意したりしたのです。
そして、毎日、農作業を終えた百姓の人たちは、この小屋にやってきては、お坊さんのお話を聞くようになっていたのです。
話を聞いている間に、人々は、不思議と心が温かくなり、いつの間にか、胸の前で手のひらを合わせて聞くようになっていました。
お坊さんは、お話をしていても、槌とたがねで、いつも石を削っていました。(作・切り絵=村杉創夢)
[ 赤穂の昔話 ]
掲載紙面(PDF):
2019年3月2日号(2316号)3面 (10,873,632byte)
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