2019年03月09日
「宮前桜」の2世育成を目指して作られた挿し木
尾崎の宮前児童遊園で道路拡幅に伴い撤去が決まっている桜を後世に残そうと、地元まちづくりグループ「尾崎のまちを考える会」が9日、挿し木による2世育成を始めた。
赤穂八幡宮の向かいにある宮前児童遊園には、公園が整備された昭和57年前後に植樹されたとみられる高さ8メートルほどのソメイヨシノが3本ある。「お宮の前の桜」として地域の人たちにとって愛着のある木だが、市道赤穂大橋線の拡幅で公園の一部が車道や歩道になるため道路寄りの2本を撤去しなければならない。
市の工事計画では今夏にも撤去作業が行われる予定だが、樹齢が古いため移植しても根付く可能性は低いという。子どもの頃から桜を見て育った同会理事の小國信一さん(51)が幼なじみで造園業を営む頭巾喜和さん(51)=播美造園代表=に相談し、「挿し木にして2世を残そう」と発案した。
この日は目木敏明会長と小國さんが見守る中、頭巾さんが脚立に上って挿し木に適した枝を剪定。一本ずつ丁寧に節を残してカットし、赤玉土を入れたポットに差し込んだ。
30分ほどの作業で約60株ができた。今後は頭巾さんが毎日水やりして管理する。頭巾さんによれば、「今年の夏を過ぎて枯れなければ、挿し木は成功」だが、すべてが根付くわけではなく、「半分残れば上出来」という。
順調に育てば、2〜3年後に移植できる。小國さんは「夢がふくらんだ。一本でも多く育ってほしい」と願いを込めた。
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掲載紙面(PDF):
2019年3月16日号(2317号)4面 (11,079,937byte)
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