2019年03月23日
ある日、百姓たちが、小屋にやってくると、お坊さんの姿がなく、お坊さんの網代傘も杖もなくなっていたのです。
その代わり、一体の仏さまがこの小屋の隅に残されていました。
石の中から、仏様を掘り出したお坊さんは、すでに旅立っていかれたようでした。そのあと、百姓の人たちは、小屋にやってきて、その仏様を眺めているだけで、温かい気持ちになることができたのです。
あのお坊さんは、きっとえらいお坊さんに違いないとして、人々は、お坊さんのことを「大師様」、この仏さまのことを「仮屋の仏さま」と言って、大事に大事に見守ってきたのです。(作・切り絵=村杉創夢)
[ 赤穂の昔話 ]
掲載紙面(PDF):
2019年3月23日号(2318号)4面 (9,504,731byte)
コメント
※コメントは投稿内容を赤穂民報社において確認の上、表示します。投稿ルールを遵守できる方のみご投稿ください。